2011-01-01から1年間の記事一覧

親孝行は、三文の得

扶養っていうと、世間一般では配偶者を扶養に取るってイメージが強いと思うけど、実際は配偶者を扶養に取るのは「配偶者控除」と言って、「扶養控除」とは別枠になっている。細かい理由はともかく、実務上、配偶者控除は103万より多く働いた人用の「配偶者特…

働こう日本

なんで税金についての日記をいくつも書いてんだろう、と思い返してみると、伝えたい事があって書いてるのだった、と。 僕が伝えたいメッセージは(そして税制が伝えたいメッセージも同じだと僕は思っている)、 1、働けば働くほどいい 2、所得が少なければ…

育休と税金

税務担当の裏話的なことを少し。うちの市では所得のわからない人全員に「所得ありましたか?あったら申告してください。なかったら連絡下さい。」みたいなハガキを送っている。その調査の結果、「育休で1年間所得なしです」って回答の人がちょこちょこいる…

誰が誰を扶養している?

前回の記事で書きましたが、「捨てるなら下さい」の問題は、各市町村としても認識することになりまして、何か対策が必要かなあ(でも、どんな?)、というところまで来ています。蓋を開けるまではどうなるかわからないところでして。 「捨てるなら下さい」が…

すてるならください

年末調整の季節です。会社から渡された紙は書きましたか? さて、23年分の税金は去年と比べて大きな変化があります。子ども手当が導入された関係で、16歳未満の扶養控除が廃止されているのです。所得税も住民税も、今年はこの分の控除はありません。 ところ…

103万円はお得なの?

そもそも103万円なら住民税は発生している。さらに配偶者特別控除があるので、105万円までは夫に税加算はなし。そういう意味で103万円に明確な壁はなく、正確には103円近辺の階段がある、というのに近い。そしてこの階段を登ることは、特権階級への道なのだ…

今、ツクメンがすごい

昨今バズった言葉といえば、イクメンってのがあるんですが、派生してイケダンとかカジメンとか泡沫ワードもありました。今日は新しい言葉を覚えて帰ってください。なんと「ツクメン」です。 ツクメンはモテる!?あなたは尽くす派?尽される派? 頭にガツン…

103万円の壁ってナンだ?

私たちの仕事の上で、唐突に聞かれるマジックワードの一つが「103万の壁」です。皆さんもうっすら御存知のこのワード、わかってるようでわからない、不思議なものなのです。 この「103万の壁」というものは、103万円を超えて働くと、扶養から外れるから、103…

税金と社会保障は、貧困ビジネスか?

原発、消費者金融、パチンコ・・・依存者を食い物にしてきた日本の「グル」の構造 「我慢できる人」は脳が違う? このあたりを読んで、税金とか社会保障のことを考えると、ちょっと貧困ビジネスの香りがします。 「依存」と「我慢ができないこと」ってちょっ…

所得がない!

私たち税に関係する部署は、市民の所得の把握に努めています。それについては国の機関である税務署も同じなんだけど、税務署は納税が発生しない人には興味がないんですよね。確定申告の義務もないし、法的にも全く接点がない。ところが市役所ってのは違う。…

1年間に4年分働こう!

「夫婦と子ども2人」ってのが手垢のついたモデルケースとして示されることがあるけれども、社会保障の面から見るとどういう状態なんだろう? 実際はもはやモデルではないケースなんだけど、このケースで妻が専業主婦だった場合の養う/養われる期間を計算して…

若者のマゾ離れ

日本社会は若者が様々な負担をし、歳を取ると利益が得られるようになっている。しかし、当の若者自身にもM属性があった。今の若者はもっとマゾに戻るべきだ、というのがこの日記の趣旨である。 日本の総労働時間は減少している。これは少子化の結果であると…

家を買ったら宗旨替え

ただいまリフォームの関係で、妻がローンを組んでいるんですが、まあイメージ的にしばらくの間は所得税が0になりそうです。細かなことを省いて言うと、住宅ローン残高の1%が所得税から引けます。例えば3000万円のローンを組めば、所得税から30万円引ける…

男は黙って家事育児

休日にショッピングモールなどを回るときに感じることは、「子どもって重い!」ってこと。自分たちの思っている方向に行かせたい時は持ち運ぶ必要があるし、エネルギーが切れればまた持ち運ぶ必要がある。なんと力のいることか。 性別役割分業というものに合…

医療費について調べているメモ

健保組合は収入が6兆1404億で、4154億円の赤字かあ。 国保加入者は約3600万人で、収入額は12兆8975億円で、支出額は12兆8070億円。収支差引額は61億円の黒字だけど、市町村が補填してるんで実質は2633億円の赤字。で、収入の75%ぐらいはなんだかんだで税金…

国語を読める人は、空気を読めない

なんとなく職場で四苦八苦している気がするのです。人から話を聞いても9割何言ってるかわかんなかったりすることがあったり、職場内の作法を理解できなかったり、教えてもらったことが覚えられなかったり。 私は小中高と国語の成績は良かったはずなのになん…

タダの医療保険はあるのか?

「ぼやーっとした考え」レベルの話なんですが。 国保税(料)収入の国保支出に対する比率が酷くて、20%をちょっと超えてるぐらい。あとは国、県、市町村が出してる税金で賄っている、っていう、民間の商品だったら1から10まで破綻してる状態なわけです。…

子どもを社会で育てるということ

えー、私たち世代、特に田舎ではそうなんですが、割と「子どもは社会で育てよう」って価値観の中で育っている、いや、実際はそうでなくても、それが理想だって価値観の中で育ってると思うんですよね。左寄りって意味では今よりそういう視点は活発だったし、…

国保税ってどうやって計算するの?

最近父の仕事が少し変わり、社会保険から国民健康保険に切り替わることになった。国保税の明細を見せてもらうと、かなり高くなっている模様。健康保険としては、その人の状態がほとんど変わらないのに、そんなに金額が変わるってのはやっぱり納得しにくいわ…

家族の範囲

南三陸町で最近1年間分の戸籍の異動が津波で消失しました。この復元は大変な作業となるでしょう。 ところで戸籍は家族関係を証明するものではありますが、あまり行政では家族関係の証明として戸籍を使用することはありません(生活保護なんかでは使うかな)…

原発の近くにこそ人は住む

今回の地震でも、原発周辺に大量の避難民が発生したわけですが、なぜ人のいないところに原発を作らないだろうかと思った。しかしうちの地元にも原発はあるわけです。首都圏の喉首、まではいかないかも知れませんが、割と近いところに。 それとは別に、原発の…

税金泥棒の仕事ぶり

一般的に、市町村職員はどのような仕事をしているのでしょうか? 私の市役所では何階かに分かれて仕事をしていますが、上の階に行くほど職員が少なくなり、かつ住民と接触の少ない、中枢的な機能を持つようになってます。要は、直接住民と接する職員のほうが…

象の鎖と地震と静岡

象が子どものうちに足に鎖をつけて杭に繋いで置くと、力がないので鎖から逃れることはできない。そして成長して堂々たる巨象になり、鎖を引きちぎる力を身につけた象でも、学習した無力感により、鎖を引きちぎることはしなくなる、という話をどこかで読んだ…

国保の大きな12%

国民健康保険の納付率が88%になったとかありました。なんだ、90%近い人が払ってんじゃん、と見ることもできるんですが、この12%がどれほど大きなことか。小売で言うなら粗利が全部吹っ飛ぶほど、国保で言うなら丸々12%は赤字みたいなもんですよ…

「実家から送られてきたお米」のできるまで

都会で暮らしている農家の子女のところに、実家からお米が送られてくることもあると思います。うちは農家ではないのでそういう経験はないのですが、市役所で税務を担当している立場から、その風景を想像してみたいと思います。 まず、農家というのは収入を伴…

農家の農協依存

下のエントリに関連して、農家の農協依存っぷりがハンパない。おはようからおやすみまで農家を見つめる農協は、農家の生活必需品をほぼ全て提供している。のみならず、把握している。農業に関わるものとしては、農薬・肥料・種苗が買えることはもちろん、食…

市役所ハック

何の前置きもなく、市役所で税務課に異動したので確定申告の受付をしている、というようなことを書いていましたが、これは当たり前の前提ではないのです。正しくは、「うちの市役所では確定申告の受付をしている」ということで、市役所が絶対にやらなきゃい…

医療費控除攻略法

本日は医療費控除についてお話しします。 確定申告というのは、あまり若い世代には馴染みがない。そんな現役世代が確定申告をするケースとして一番多いのが医療費が多くかかった場合ですね。それが医療費控除と言われるものですが、かかった医療費を税務署に…

e-taxは、もういーたっくす

確定申告はまだ続いています。ところで日本の確定申告って、諸外国と比べてどうなんでしょう?源泉徴収っていう給料天引きが納税者意識を減らす、とも言われますが、アメリカでも源泉徴収制度はあります。ないのは会社がちょこちょこっと税金の過不足を精算…

控除と手当

子ども手当が消え去ろうとしています。控除から手当への流れの中で、子ども手当創設、年少者の扶養控除廃止、と来ていたのですが、ここに来てハシゴを外されるように子ども手当がなくなるような気配です。その場合、児童手当は復活するでしょうが、年少者の…