税金泥棒の仕事ぶり

一般的に、市町村職員はどのような仕事をしているのでしょうか?
私の市役所では何階かに分かれて仕事をしていますが、上の階に行くほど職員が少なくなり、かつ住民と接触の少ない、中枢的な機能を持つようになってます。要は、直接住民と接する職員のほうが多い、ということですね。ざっとイメージで3/5ぐらいが住民と接することが多い部署で、いわゆる市民課、福祉課、税務課、環境課などがあります。それに現場を多く持つ建設課、農林課、都市計画課などがどちらに含まれるか、というぐらいな感じですね*1
基本的に住民と接する部署というのは、仕事をすることになっています。仕事をしないことは少ないです。仕事のために人員が割かれていますし、仕事が回らないと自治体に対する直接的な批判に繋がります。ここでの問題は、ほとんどの仕事が自分たちで決められないことです。いわゆる法定受託事務など、国の仕事を自治体が手足としてやることを規定されている仕事が多かったり(戸籍とか)、ナショナルミニマム的に、法律で細かい仕事が決められてしまって自治体の自由度がない(住民票とか)仕事が多かったりします。もしモチベーションが上がらない理由があるとすれば、そういうところに原因がありそうです。
基本的には仕事に応じて人が割り振られいるので、残業が少ないことは多いかもしれません。さて、では残業はどのようなときに生じるのでしょう?慢性的に人手が足りていない自治体、部署もあることはあるでしょう。それは人の割り振りの失敗もしくは構造的な問題ですが、どちらかといえば少数派です。基本的には繁閑の差があり、暇な時にあまり暇にし過ぎることができない(この点では民間と同じだと思います)ために、暇な時の仕事量に人員を合わせるために生じます。忙しい時は残業で対応する、ということです。
基本的に自治体というのは法律で動きます。ゆえに、残業させる時も残業代を払うことが多いです(払わない自治体もしくは部署もあるとは思いますが。あまり過度の一般化はできないかもしれません)。ここに税金が使われているわけです。
例えば今の時期は、税務署から確定申告のデータが各自治体に送られてきています。自治体はそれを整理して住民税をかける準備をしているのですが、作業量が膨大で、尚且つ早い時期にそれを終える必要があるので、この時期はどこの自治体でも、税務関係の部署が繁忙期になっていると思います。
ここの部分をアルバイト・非常勤職員・派遣などにカバーしてもらうのが難しいため(うちの市でもそれらを活用してはいますが)どうしても税金を大量に使う、大量な残業が発生してしまいます。
市役所の職員には、税金がたくさん使われますが、その分仕事をしてしまっているのです。税金を効率的に使いたいなら、仕事の部分を見直す必要があります。ただ、それは自治体で決めるよりも、もっと上流で決まっていることも多いのです。国全体の制度や政治を効率化できれば、こちらももっと効率化できるのになあ、と考えています。

*1:課名はなんとなくイメージできそうなものに変えてあります