確定申告の書類が送られて来ないんだけど

さて、今年の確定申告も終わりましたので、そろそろ思い出の話になっていきますが*1、いくつか。
「確定申告の書類が送られて来ないんだけど」という話で、市役所に電話がかかってくることもありまして、それこそ「(市役所が)知るかいな*2」と思っていたのですが、シーズンを重ねるうちにそのへんの事情ぐらいはわかるようになってきました。確定申告の書類が送られて来ない理由は、1.去年確定申告をしなかった 2.去年e-taxで確定申告をした の2つしかありません。つまり、確定申告をすれば、(来年送付不要欄に◯をつけていなければ)自動的に来年同じ物が送られるというだけの話です。もう一つのe-taxで、というほうですが、当たり前ですがe-taxで確定申告をしたのなら来年、紙の申告書なんかいらないよね。
よくお電話で「俺んとこ今年確定申告の書類が送られてこんだけど、今年は申告やらんでいいだか」と言われたりするのですが、他ならぬあなたの所得をですね、行政が把握できるとどうしてお思いか。所得というものは農業や営業や不動産の収入から経費を引いたあとのものなわけで、それを行政が把握できるなら、わざわざ「申告」など求めませんよ。わからないので申告の義務(義務って難しいけど、税務署的には「計算して税金を収めることになるんだったら申告の義務があり、計算した結果税金を収めなくていいんだったら申告の義務がない」という感じ)を課し、それを求めているのです。申告書が届いても義務がなければ申告しなくてもいいし、申告書が届かなくても義務があれば申告しなければならない。
あともう一つ、年金400万円以下で確定申告不要(この場合、確定申告の義務がないってことね。計算して税金払うことになっても、申告義務がないから払わなくていい。不思議。)ってのが去年から始まったけど、こういう人たちが溜め込んだ医療費の領収書とか何十万も払った生命保険から3万5千円の控除を利かしたいって場合は、所得税申告すると損なので、市県民税のみ申告する形に大量に切り替えた。去年からなので、初めての人たちは税務署で「市役所行ってください」とワケもわからず市役所に来て、住民税を安くする申告をしながらキョトンとして帰っていったのですが、こういう人たちも確定申告の書類は送られません。前述の1に当たる。親切な市役所はこういう人に何か書類を送っているのかもしれませんが、うちの市では送っていません。したいのなら広報読んですればいいじゃん的スタンス。もともと申告ってそういうものな気がします。
話が雑多になってきたのでまとめると、
確定申告の書類が送られるのは、あなたに申告の義務があるからではなく、去年確定申告をしたから同じ書類が送られるようになっているというだけのことです。逆に、確定申告の書類が送られなくてもあなたに申告の義務があるならば、確定申告をしなければいけません。(しないと最悪、調査が入るかもしれません。)
さて、一応ここで所得税をかける国税庁と、住民税をかける市町村との違いを明記しておくと、所得税は申告課税で、申告してきたものにそのまま課税する、で住民税は賦課課税で申告は申告としてそれより自分たちで調査をして計算して課税する、という違いがあります。住民税については給料や年金は支払者から必ず*3報告があるので、別にそれだけで十分なのです。勝手に課税しちゃう。だから住民税の申告は、ほとんどが来年の住民税、下げてよ、という申告なわけですね。

*1:私もともと国保税の担当ですし、仕事上で所得税は全然関係ないんですよね

*2:送るの国税庁だし

*3:ていうか大概