区画整理のお話

前回の日記で「思い出の話」と書いたらソッコー異動しました。土と木と書いて土木のお仕事です。
はてさて久しぶりといえば久しぶり、初めてといえば初めての部署なんですが、そうですねー、区画整理についてがウェイト高めなんですが、馴染みがなかったよね〜。
区画整理というのは、まあここから先、割と自分の理解のために書いていきますが、昆虫で言うサナギから成虫へ、みたいなことよねー。幼虫として完成しちゃってんだけど私あらゆるリスクを取っていっぺん生き物をやめるぐらいの覚悟で飛ぶわこの断崖、みたいなサナギになって鳥に食われなかったら成虫へ、ってなことだと思うんですよね。
あ、上記は多少なりとも区画整理がわかってる人用の説明になるかも。もうちっと最初から説明すると、土地っつーのは生まれた時には割と不整形で形が悪いものなの。四角い土地なんて最初はないの。宅地だってそうだし農地だってそう。で、やっぱ基本的には四角い土地というか碁盤の目みたいな道路というかが割と効率がいいので、みんなで力合わせてそうなろうよ僕達!ってやる時にやっぱさールールってもんが必要じゃん。だって私権が制限されるじゃんというかオメーの土地の方が四角いじゃねーかいやオメーんとこのほうが四角いよとかそういうのどう纏めるのとか誰が金出すのとかモロモロの問題をクリアするためにじゃあ組合作ろうか、とかそういうルールがあってさ、せっかくだし道路も広くしたいね公園も欲しいよみたいなことをすると不整形な土地が整形になるかわりにちょっと面積減らしなさいよ道路や公園にするから、ついでに事業費捻出のため一般に売るための土地も作ろうよってなことになって、これが区画整理ってことなんだよね。
で、この一般に売るための土地ってのが「保留地」と言いまして、区画整理の組合ってのも割と自治体が肝煎りだったりするので市役所がホームページに乗せて売ったりしてるんだよね。つまり、「保留地」ってのは無から生み出したような土地なのです。
なんで自治体が区画整理に熱心なのかと言えば、まあ様々な要因があるんだけど、手っ取り早く生活基盤をワンセットで組み上げる、要は行政としてあんまりコストがかからん区画を作ることができるってこともあるし、道路も水道も整備できるし、道路の中でもとりわけ都市計画道路という、作ることが計画で決まっていながら割と野ざらしになっている地域と地域を結ぶ重要な道路(でも計画してるのが完全に個人の家の上。買収すると超高いし交渉が大変だし。)みたいなのをあんまり土地を買収せずに作れるとかもある。あとなんといっても大きいのは自治体の自主財源として割とデカイ、固定資産税を上げることができるってのがあるよね。自治体は割と固定資産税を上げるっていうのは大きな目標ではあると思う。何にもならん農地なんかを区画整理に組み入れれば、宅地化の可能性も高いし、さっきの保留地ってのは新しくできる土地なんだし。区画整理で道路が良くなれば、土地の価値は上がって固定資産税も上がるのです。
つーことで自治体は割と錬金術のように土地を作っている。作りたい。うちんとこは今一段落というか、区画整理ってとっても重たくてちょっと胃がもたれ気味なのでお休み的な気配になっているのだけれども(私権を制限するのは本当に重たい仕事だよ。あと区画整理は条件が揃わないと損するウチとかもあって、事業に賛成が得られないことも多々。例えば、既に四角い敷地のお宅が、区画整理されると、事業費の捻出のための保留地分を平等に拠出すると、自分の敷地がガンコ減るのでそれを買い戻すだけという非常にツマランことになる。)、割と世間的には幅広くやっていると思うよ。我が町の区画整理とか割とあると思うので、ホームページなど開いて、良さげな土地でも物色されてはいかがでしょうか。事業費捻出のためと言っても、区画整理組合は行政的には早く解散させたい(コストかかるし、早く固定資産税取りたいし)ので、バーゲンセール的な物件が出ることもままあることかと考えられます。