というわけで国民年金だけど、現行の枠組みの中で縛られながら破綻を回復させようとすると非常に労力がかかる。果たして現行の枠組みが正しいのかってことで。例えば65%の納付率を80%に上げようと苦闘する徴収員がいたとして、彼はなぜそのように頑張る必要があるのか。残り35%の人の中に年金制度に賛成の人が果たしてどのぐらいいて、さらに年金制度を理解していない人、払えない人、不信な人、さらには例え納付したとして将来年金として帰ってこない人、はどのぐらいいるのだろう。法律です、決まりです、やってないのはあなただけですよ、将来困りますよ、等の理由ってのは果たして真っ当なセールスと言えるのか。
前項の日記も「時代が変わった」ということを考えていたのだけれども、ここでも時代は変わったのだと思う。商品に魅力がなくなり、官にそれを売る力がなくなったのだ。
まず国民皆年金でいいのか。生活保護より上の水準の人たちに納付の義務があるとして、ぎりぎりの人たちは保険料を支払うと生活保護に陥る。というか多分支払わない。こういうことが果たして制度として正しいのか。こういう人たちにも一律に80%の納付率を目指して「払ってください」って意味がわからない。だいたい保険料なら民間でやるべきで、官がやるなら保険税だろう、と。つまり生活保護と一体で考えるべきだ、と。
とにかく現行の枠組みを考えずに、ノルマ的なこと、現行の枠組みの破綻を防ぐことを考えると、現場はものすごく大変になる。低所得者ほど15%近い延滞金を払いそうなことを考えると、一体何を目指してるんだ、とほんと疑問。


追記:なんだかんだ言って車買ったときに保険かけますよね、ってこと。車の事故は見えても、自分が長生きするのは見えないっておかしいですよ。国民年金がなくなったとして、果たして日本人はみんな年金やめますかね?かなりの人が同じような民間の年金に加入すると思う。つまり、国民年金という仕組みが不要なら、現行の仕組みの元でうにゃうにゃやってるのが無用ってこと。