ワーキングマザーのカタキ

インターネットの中をうろうろしていて、ワーキングマザー的なものに親和性があり、少しばかり垣間見ることになった気がします。
そんな私は育休を半年ほど取ったものの、マスオさん的な親同居を選んだために、実際のところはワーキングマザー的なものから離れていったと感じています。私の母はフルタイムで働いていましたが、父方の祖父母が私たちと同居していましたので、僕はその母の立場に近い気がしています。で、これってワーキングマザーではない、という気も。
育休から職場に復帰した時にいきなり繁忙期迫る税務課(確定申告の人員不足のため)で、しばらくしたら夜10時11時までの残業が始まり、また、義実家で義両親とギクシャクするとか(家に帰ることにちょっとした負荷がある)、そうは言っても義両親が子どもを見てくれたりという環境の中で、残業ができないとは言えないまま繁忙期を乗り切り、また通常期もミチミチ仕事やったあとで繁忙期が来るというのを何度か乗り切ったあとで今年度から都市建設畑にいるわけですが。
今年4月の異動で、僕と同年代の女性も同じ係に異動してきて、現在同じ仕事をやっている。異動、というか、4月に育休から復帰してきたというわけだ。たまたまうちの子と同じぐらいの月齢のセットの姉妹がいる。うちの2歳児が4月には1歳だったわけで、その女性の下の子が年度当初に保育園を確保できたというわけだ。もちろん上の子は同じ保育園にいる。
保育園に預ける時間の関係で、その女性はだいたい定時で上がっていく。私的には保育園の送り迎えをするというのが狭義のワーキングマザー的なイメージがある。さて、もちろん私も定時帰宅を目指していたわけだけれども、男性労働者の悪弊か、ズルズルと仕事をこなすために残業をしていくことになっていく。
今まで培ってきた仕事力のようなものを使って、仕事の時短に励んでいるつもりだが、今年から異動してきた部署でもあり、仕事の勘所も掴めていない。また、仕事自体も毎年あるものではなく、多分この仕事が片付いたら、もう同じ仕事はうちの市ではしないだろうというような仕事。殿戦、退却戦。
こういう中でもがく。一応自分の中でも子育てのタイムリミット的なものがあって、夜8時ぐらいまでに帰宅して何らかのことをやらないと、子が寝なかったり翌日に支障が出たりするので、そこで仕事を切って帰宅するのだが、逆に毎日それぐらいまでは残業をやらないと仕事が零れ落ちてしまうという恐怖がある。子育て、と言えば夜に上の子が「おしっこ」と言えば起きるのは自分だし、下の子が「ミルク」と言えば起きるのは自分。妻もイッパイイッパイの中で、何となくできた暗黙の行動様式だ。夜中に何度か起きることに完全に慣れてはきたが、睡眠の面で不安がある日もある。
仕事の時短、と言っても難しいこともある。
もしうちの子が幼稚園ではなく保育園に行っていたなら(ということは義父母・実父母と同居していないということをも示す)、僕も何もかも捨てて定時に帰っていたかも知れない。残業をするということはある意味では幸せなことだ。仕事が零れ落ちてしまう不安を軽減できるし、幸いなことに今の職場では残業代も出る。
反面、どうしても抱えきれない仕事を背負い込むことにもなる。仕事のショックアブソーバーは僕の残業時間しかないのだ。ここでやらなければ所与の業務量が定時でできる業務量を上回っていた場合、ただただ締め切りが破られ、仕事が破れてしまうということが生じうる。
スーパーワーキングマザーは、「ダラダラ残業やるやつよりも成果を出した」、というようなことになるのでしょう。ただ、私が定時で上がるとしても、現状の残業含めた業務量を定時内にこなせる自信はありません。考えられる方法としては、相対的に大事ではないものをどんどん切り捨てる。つまりは色々な人に怒られながら、業務を捨てていく、ということぐらいだ。色々な人というのは対市民であったり、市民に怒られることを嫌がる同じ職場の人、ということだが、自己判断で仕事を捨てて、怒られるしかない、というか、現状でもまだ怒られていないが、怒られるまでは放置しておこうという形にしてある仕事が既にいくつかある。
ワーキングマザーは存分に残業ができる同僚や配偶者がうらやましいかもしれないが、その状況にある私はそれなりに悩んでいる。家庭内における賃労働の価値、それも残業での完全なプラス、ってのは割と価値が高いって考えもある。ただ、子育てへの関与が遅れると夜寝ないことや家族の疲弊など、一日では問題とならないが蓄積するとかなり痛い状況にもなる。私だって、「なるべく(なるべくってのが悪いんだろうが)」残業は避けたいんだけれども…。
なんとなく我々残業族は、ワーキングマザーにとって仮想敵みたいなものだと感じているが、我々労働者は本来手を組むべきものだろうと思うね。職場でもそうなんだけれども、多分、まずは夫婦から。