買い物難民になる前のところ

ファスト風土化する日本って本を昔読んだことがありまして、その当時は「ジャスコ許すまじ」とか思ってたんですが、2004年ってと24歳なのな。時期的にはイオン志都呂ができた直後ぐらいの時期で、行ったことがあったかどうか。
まああったにしろ当時の僕には印象は強くなかったでしょう。イオン志都呂は単身マニア寄り男性には向いてないので。それはともかく、当時はジャスコ=楽しいってのはなく、世間的にもまだそういうイメージがついていたわけではないところ。
地元商店街とか駅前VS郊外大型店舗やロードサイド店とかって、かろうじて駅前デパートがちょっと面白いだけで、後は全然面白くなかった。この時点で地元商店街は瀕死だったし、浜 松以外の駅前なんて何にもなかった。対する郊外大型店もロードサイド店も安かろう悪かろうの似た様なものばかりで、全然面白くなかった。
ちょうどこのころスーパーとしてのジャスコ、いわゆるマックスバリュを使用するようになって、「安くて品質が悪い」、というイメージがすげーあった。でも当時は安くて品質が悪いのがいいんだよな、と僕としては思ったし、思い起こせばフリースが当たる前のユニクロとかそういうイメージだった。ユニクロ(プゲラ)だったんだよな、1990年台は。
2000年前後の4年間、関西圏という都会に行っていて、ある程度は都会にカブれたわけだけど。
少なくとも都会楽しい、ぐらいの感覚は身についた。Uターン後も青春18切符使って都会(東京・名古屋・大阪・広島あたり)にも頻繁に行ったわけだけれども。
特に結婚後の2008年あたりから。郊外型大型店舗としてはイオン市野ができていて、ここはすでにある程度利用していたが、2008年ぐらいにららぽーと磐 田までできまして、結婚準備などでイオンを大活用し、出産準備でららぽーとを大活躍したあたりで「ジャスコ超楽しい」になっていた。んで、現実問題忙しいとかもあるけど、もう全然都会行かないし、買い物目的で行くとか考えられないぐらいに。
2004年の「ジャスコ許すまじ」の中には「面白くもないくせに」があったんですが、2008年以降、もう断然面白かった。実は面白かった、ってのもあるけど、カップル〜子連れにとって、ジャスコってこれ以上無いぐらい面白いんですね。多分独身男性とか財布の紐が面白くないのでターゲットにしてないんであって、女性を呼び水に男性にも金を使わせるっつーカップル〜子連れのターゲットってわけですよね。
2008年のジャスコの中以外でも、郊外大型店舗にはすでにニトリが入っていたのだけれど、ジャスコに入ってるほうが圧倒的に楽しい。そもそもニトリなんてのはニトリだけで見てるとただの安い家具屋さんなんだけど、ジャスコに入ってるとアパレルなんかを冷やかしつつのデートの延長がニトリってわけだしね。つまり新居の家具を買いに行く、と。
アパレルなんかも最高に楽しい。ファスト風土ならぬファストファッションなんてのがプラスの気配でもてはやされだしたのも2008年以後と思いますが、ジャスコには和製ファストファッションブランドがてんこ盛り。安くて流行に乗った服がたくさんある。安くて悪いんじゃなくて、安くて丁度いい。もちろんユニクロも入ってるし無印も入ってる。僕が高校の時に駅前デパートで気合入れて買ったタケオキクチ(当時Tシャツが8000円ぐらいか)もよくわからない名前で入ってる(寄り付かないけど)。
子連れになればもうジャスコ。ベビーカーあるしで最初はジャスコのイオンで買っていたのだけれども、結局今はららぽーと赤ちゃん本舗のほうが使うぐらいですね。普段使いはロードサイドの西松屋だけど。ジャスコはとにかく赤ちゃん休憩室が素晴らしくて惚れ込んだ。おむつ替え台は4台ならび(もちろんおむつ用ゴミ箱有り)、哺乳瓶を洗う水道とお湯が出る機械と飲料水が出る水道があって何が起こっても大丈夫という安心感が凄い。最近の話だけど、カバン忘れたり靴落としたりとかしてもすぐサービスカウンターに届いてる。清掃スタッフも必ず視界の中に一人はいるという感じだし。
ほんで面白いと言えばヴィレッジヴァンガード通称ビレバンなんですが、もともとビレバンは駅前にあってそんな好きだったわけじゃないんだけど、ジャスコはもうビレバンに支配されていて、すごいのよビレバンが。形態がいくつかあって、たまたまイオン市野にあるnewstyleって形態が超楽しい。おっさん用の服買えるし(もうそこでしか買わないぐらいの勢い)、子ども用のおもちゃ贈答用雑貨絵本などなどがあってもうないと困る。ほんと楽しい。
本屋もほんとはもっとでかいほうがいいのですが、まあロードサイド店よりは大きいので及第点。
えーっと、「ジャスコ許すまじ」…
思い出の話として、僕にはそういう商店街ってない。田舎住みなので地元に商店街はないっつーか商店が潰れるレベルで、駅前商店街だって記憶の最初(1980年台)から寂れ廃れ買うものがない。都会に出てはじめて「買い物って楽しい!」って思ったわけだけど、ジャスコ、すげー。そんな田舎に「買い物の楽しさ」があるものを作ってくれたんだね。
ジャスコってのは駐車場から屋内に入ったところから、街だ。コミュニケーションがあるわけではないが、遠 州にはすでに「歩行者」が絶滅(遠 州には街を歩いている人がいません。車でドアツードア)していたんだけれども、その絶滅種の保護・復活のためにジャスコができた。そこではじめて「歩いている他者」というのを、多分うちの子に限って言えば「生まれて初めて」見るわけで、「歩いている他者」がこんなにいると思える光景って素晴らしいよなあって。なかったんですよジャスコ以前には。「賑わい」とか。職場の人だって車で1時間のジャスコでしか会わないんだから。ジャスコがなければ会わないんだよ。それでジャスコがないほうが地域コミュニケーションが活発になるって言えるかい?
買い物難民の話なんかで、「大型店は焼き畑で撤退して買うとこなくなる」とか言うけど、人が住むところ好機があるわけで、遠 州140万人を簡単に見捨てるわけはないと思うな。現状大型ジャスコ2つとららぽーと1つと大型ユニー1つと大型セイユー1つなので4つ潰れてもいいんだけどね。