市職員の「手に職」

市役所に入る前も入った後も、「市職員は潰しが効かねえ」と思ってやってきましたが、7年目ぐらいになる今になって、何となく一応「手に職」っぽい感も出てきましたので、書いてみます。


1.法律や制度に詳しくなる。
まず民法がわかりやすいかと思いますが、多分一番有名な法律ですよね。これ全貌が見えるわけではないのですが、法律の全くの素人(元心理学徒)が7年市職員として働いてくると、民法もシロアリが食ったみたいにちょこちょこツマんでる感じはあります。相続とか債権とか時効とか、まあちょこちょこ。道路の部署にいた時は、相続ぐらいしか法律やんなかった感じだけど、市民課的部署では住基法、戸籍法、外国人登録法なんかをガッツリ読み込みましたね。余談として、外国人登録法は既にないわけだけれども、そういうアップトゥーデートにも漸進的についていける感じはあります。今は地方税法国保法を主に読んでいるわけですが、とにかく「法律の読み方」がわかってくるようになります。
2.パソコンとかデータとか詳しくなる。
専門的に、ってわけじゃないんだけど、顧客としてパソコンはかなり使ってるほうだよね、一日の大半パソコン弄ってるもん。主には市民や土地など数の多いデータを扱いますので、データベースソフトなどの使い方や、エクセルの関数、ワード(うち一太郎ですが)の文章の整え方に詳しくなります。専門性はないですが、リテラシーってな感じで、そこそこ色んなもののイメージが掴める感じ。
3.人との交渉機会がかなりある。
市職員は公僕として、権力や権威が全くありません。顧客は市民の方々なので、それこそ半径何km全員がお客様です。職場から外へ出た瞬間から、いえ、職場内も公共スペースで基本、仕切りはございませんから、濃密に全体を顧客に囲まれているのであります。そして本当に権力がないので、電話でも怒られから入ったり、チクチク言われたり、基本的には「何を言ってもいい人」として扱われます。本当の交渉力・交渉術はともかく、市役所には(県や国に比べてってことですが)腰の低い、物腰の柔らかい人が多くいます。波打ち際で洗われる砂はどんどん丸く小さくなります。とにかく、エラそうで困る、という人にはなれません。(ちなみに何故かうちの市役所内では上司にタメ口で話している人が多数います。さらに言うと、管理職になるのはは50代ぐらいからです。同じ名字も多いので、下の名前やちゃん付けで呼ばれるおじさんも多いです。)


人によってはさらに地域との繋がりができたりもするのでしょうが、私は苦手系なのでそういうのはありません。