ふたりはともだち

がまくんとかえるくんは友達で、一緒の職場で働いています。職場から住民税の通知を渡された時、ふたりはとても仲良しなので、住民税についてお互いの金額を見せ合いました。
がまくんとかえるくんはどちらも年収が500万円ですが、一年間の住民税は、がまくんは23万円なのに、かえるくんは5万8千円です。
がまくんは官憲に目をつけられてしまったのでしょうか。それともかえるくんは何か汚い手段を使ったのでしょうか。

さて、ここからは税務吏員の説明。
2人の年収の500万円についてですが、500万円の給与収入があった場合、154万円経費がかかったとして、346万円の給与所得と計算されます。
2人の個別の数字を見ていきます。
がまくんは社会保険料として80万円を支払ったのが控除され、さらに全員対象となる基礎控除33万円も控除されるので、全部で113万円控除され、233万円に住民税がかかります。税率は10%なので23万円が年間の税金。
かえるくんも社会保険料として80万円を支払っています。さらに生命保険を7万円払っているので3万5千円控除され、地震保険を5万円払っているので2万5千円控除されます。そして、70歳を超えた同居の両親を扶養しています。一人45万円なので、90万円の控除です。お父さんは足が悪いので、26万円の扶養控除もついています。奥さんはパート収入が103万円以下なので、33万円の配偶者控除があります。年間30万円かかる家族の医療費はかえるくんが全て出しており、20万円の医療費控除があります。自分の分の基礎控除もあるので、全部で288万円の控除なので、所得の346万円から控除の288万円を引いて、課税のもとになる所得は58万円。5万8千円が税金です。
がまくんとかえるくんのように、例え表面上は同じ年収であったとしても、税額は驚くほど違います。
というわけで年収いくらなら税額いくら、というような考え方や試算は、すごく不思議だなあ、と個人的に思ってしまいます。