市役所は、税金を取るところではございません。

この界隈には「納税者有利」という言葉があって、納税者が有利になるように切り捨てや切り上げを行ったりする。疑わしいものは納税者の有利になるように、という意味もある。これらが税務に関わる職員たちの基本認識だ。
「税金」というものの考え方にもよるのだろうけれども、僕は税金というものは自然発生するリバイアサンのような怪物だと思っている。憲法によれば、「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う。」とあり、いわゆる三大義務の一つである。あとは法律が税金のことを決めているんだけど、僕ら税務に関わる職員はそのガチッと決まっている税金という怪物と生身の納税義務者との間に立って、その人を税金から守る存在だとすら感じることがある。
税金というものを、僕らは調査・決定することによって賦課するわけですが、課税圧力というものは、もともとの法律・条例から滲み出してくる。それらがそのまま納税義務者に対して牙を向いたりしないように、僕らは納税義務者に決められたルールに則って通知をする。そして納税が難しい時は、税金と対峙する方法を一緒に考えながら相談を受ける。税金というのはそれほど恐ろしいものであって、生身で対峙すると食われかねない場合もある。
税金は債務である。滞納したら徴税吏員が滞納処分をしたりするのだが、それも手順に則って行われる。督促をしたり、財産の調査をしたり、財産の差し押さえをしたりする。税金は強力な債務であって、自己破産をしても消えない、生活保護になっても消えない、強制力のある、本当に強力なものだ。一般に、その力から納税義務者を守るのは、税務に関わる職員である、と感じる。運用をガッチリ決めることで、税金が一気に牙を向かないようにする、という。
税金というものは、取りたい人から取れるものではないし、取りたくない人から取らなくていいものでもない。
まあそんなわけでPR。確定申告がそろそろ始まりますが、税の道先案内人、税務に関わる職員を信用してやってください、というお話。あと、納付が難しくなった時も、一言ご相談を。放っておけば、税金という怪物は、えげつない税率の延滞金で、怪物と化して向かってきますから。