子ども手当はお得なの?

今年から子ども手当を貰う年齢の子ども達の扶養控除がなくなるわけですけれども。で、1月の給料からその影響が出ていて、人によっては引かれている税金が増えているということもあるらしい。うちは扶養は妻に取ってもらってたんでわからないですが。

さて、この扶養控除とはなんぞや?そもそも控除とは、「ある金額から一定の金額を差し引くことである」らしい。扶養控除というのは、ある人を助け養うためにお金がかかるから、その分を経費として所得から差し引きましょう、というものである。

わかりにくいですね。

もっと簡単に言うと、「会社の経費で落ちる」って時の経費と同じです。その人を養うことが社会的に必要だから、その分は税金かけないよっちゅーこと。

でも、今年からなくなる、と。なんでなくなるの?いや、子ども手当あげてるじゃん。それでなんとかしてよ、と。交通費や交際費のように、すでに税金から手当として支給されているのだから、その分控除する必要ないでしょ、というワケです。

まあ、実際得になるからいいわけなんだけどー。とタカをくくっていましたが、政治の雲行きが怪しい!!

その前に扶養控除についてもう少しおさらい。扶養控除ってのは所得から経費としてある金額を差し引くってことだったよね?その金額とは?答えは38万円。じゃあ所得って何?給料のこと?惜しい、ちょっと違う。給料ってのは単純に貰った金額だけど、仕事するにはやっぱり経費が必要だよね。スーツ買ったりご飯食べたり。みんなそのレシート取ってる?取ってない!?じゃあ経費として見ることはできねーな、ってことはなくてめんどくさいからこれぐらいの給料の人は経費がこんだけってことで適当に所得から引いてくれる。これを給与所得控除と言います。おっと長くなってきた。詳しくは源泉徴収票見てくれよな!書いてあるから。

で、その給与所得控除を引いた後の給与所得を単純に全部の所得だとしましょう。そこから各種経費をさらに引く。社会保険・年金・生命保険・必要経費として払った額は引きましょう。自分を養った経費として38万円引きましょう。扶養控除も38万円引きましょう。で、経費=控除を引いて残った額があなたの所得になるわけです。

さて、ここからは税金の計算です。所得には国税である所得税がかかります(ついでに住民税もかかります)。そんなわけで確定申告なんかでは国と市町村がタッグを組んであなたの所得を狙っているわけですね。同じ財布から支払ってもらうわけなので。

ではまず先に所得税から。所得税の税率は所謂累進課税。稼げば稼ぐほど税金は上がる。↓こんな感じ。


課税される所得金額     税率 控除額
195万円以下         5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超          40% 2,796,000円


まあわかりにくいけど、ここは流して。要は所得が上がると税率がステップアップするところがあるんですね。

ついでに住民税の話をしとくと、税率は一律10%です。

税金の説明はこれでだいたい終わり。

で、扶養控除がなくなるって話だけど、つまりどうなるの?養っている子どもが1人いるごとに、所得が38万円高いこととして税金が計算されるようになるってことです。つまり、増税

所得が195万円以下なら所得税は38万円の5%の1.9万円、住民税は3.3万円(住民税の扶養控除は33万円なので、その10%)、計5.2万円の増税になるわけです。ってことは、子ども手当って単純に貰える額だけで見るんじゃなくて、増税と相殺しながら見ないとマズくない??ってのが論旨。

あと子ども手当の前には児童手当ってのがあって、3歳未満は月1万円、3歳以上は月5000円貰ってたわけで、そこからどう増えたかも知りたいところ。

ってのを表にまとめてみました(長い前置き!)。


子ども手当(1.3万円と仮定)は旧児童手当よりどれだけ多い?(3歳未満)

所得0円:+3.6万円
〜195万円:-1.6万円
〜330万円:-3.5万円
〜695万円:-7.3万円
〜900万円:+3.6万円
〜1800万円:-0.2万円
1800万円超:-2.9万円


子ども手当は旧児童手当よりどれだけ多い?(3歳以上の場合)

所得0円:+9.6万円
〜195万円:+4.4万円
〜330万円:+2.5万円
〜695万円:-1.3万円
〜900万円:-2.4万円
〜1800万円:-0.2万円
1800万円超:-2.9万円


さてさて、割と適当に纏めてみました。児童手当は所得制限があったので、適当なところで貰ってる区分と貰ってない区分に分けてみましたので、ほんというと全然違うところもあります。まあ雰囲気だけ醸成してみた、と。

あと、実は来年度からの子ども手当は非常にスリリングな状況に置かれている。むしろ廃案じゃね?みたいな。廃案の場合児童手当復活らしいのでそれも試算してみた。


子ども手当法廃案→児童手当復活したら実質いくら貰える?(3歳以下)

所得0円:+12万円
〜195万円:+6.8万円
〜330万円:+4.9万円
〜695万円:+1.1万円
〜900万円:-12万円
〜1800万円:-15.8万円
1800万円超:-18.5万円


子ども手当法廃案→児童手当復活したら実質いくら貰える?(3歳以上)

所得0円:+6万円
〜195万円:+0.8万円
〜330万円:+1.1万円
〜695万円:-4.9万円
〜900万円:-12万円
〜1800万円:-15.8万円
1800万円超:-18.5万円


まあ考え方によっては色々な計算があると思うけど、実際疲れたので今日はこのへんで。個人的にいい税金の勉強になりました。

http://ow.ly/3MqUx 国家予算は214兆円なのに、 http://ow.ly/3MqV1 子ども手当は3兆円。確か5000億円ぐらいは年少扶養控除廃止から捻出できたとは思うんだけど…バラマキっていうならあと210兆円どっかにバラマいてるよ。