はんこ

「はんこ」がすげーってことに今さら気付いた。市役所ではやたら「はんこ」を要求されたりするわけだけれども、持ってくるの忘れたりすると「何ではんこなんか必要なんだめんどくせー!取りに帰れってのか!」と思う気持ちもわかりますが、とにかく「はんこ」はすげーのです。大筋で言うと、取りに帰ってください。

「はんこ」を記号的に表わすと、本人の意思の確認なわけです。極端に言えば、他は全て市役所が用意して、「はんこ」だけ打てば手続きは終わりってことがありうるわけです。市役所は日々来客からのプレッシャーと戦っているため、いかに手続きが簡単かつ正確にできるか考えています。よって、市役所側から見てどうしても出して欲しい書類などは必要な情報が印字されて「はんこ」を押すだけでいいようになっていたりもします。

こうして事務と「はんこ」を切り離したために、人によっては「はんこ」を持って市役所にくるだけでなんとなく用を足せたりします。はんこ便利!市役所って煩雑な手続きを要求してるようですが、意外に手続きは簡単なものもあるのです。というか市役所側ではその何倍も煩雑な手続きをしてるってだけなんですけど。

こうして市役所が隠れて煩雑な手続きをして勝手に忙しいとか仕事が大変とか言ってる間に、その煩雑な手続きは隠蔽されていきます。市民の方に隠れて、市民の方のかわりに市役所がやっている手間は、果たして市役所がヒーヒー言いながらやるべきものなのでしょうか?

もしかするとこれは市役所に対する批判を封じ込め、仕事の改革を遅らせているということも考えられます。本当にこの手続きが必要なのか、この手間が必要なのか、それを考えさせる前に「はんこ」だけ押せばいいようになっているのです。

でも「はんこ」は便利ですね。戸籍届にも「はんこ」のマジックがあります。届出人のところに「はんこ」を打ってもらい、もう一つ、欄外に「訂正印(捨印)」を必ず打ってもらっています。このマジック=訂正印ですが、戸籍届の訂正を全面的に承諾した印で、これさえあれば戸籍届の間違いを直し放題!このようなマジックの上に、正確無比な戸籍事務は成り立っています。


でも、僕はんこ嫌い。あと現在はんこの機能は運転免許証に集約されようとしています。