戸籍がなくなって困るとしたら、相続の時だけだ。相続の時に戸籍が必要となるのは、亡くなった方の相続権者を洗い出すためだ。しかしその場合も不便である。戸籍制度は何回も改正されており、その度に戸籍が作り直されるので、場合によっては明治の戸籍まで遡る必要が発生する。個人の歴史を個人としては追えないのだ。
その理由の一つが夫婦セットで戸籍を作る、というシステムであり、もう一つが戸籍を新しく作った場合に、その時点でその戸籍から出ている人は新しい戸籍に記載されない、ということだ。相続では具体的には子供の有無を調べる必要があるのだけれども、子供は結婚すると戸籍から抜けてしまい、その戸籍が新しく作りかえられるとその子供が次の戸籍からはいなくなっているのだ。
個人が必要とするものと、制度で示されるものとの乖離が激しい。終戦後なぜこんな戸籍制度になったのかはわからないが、今戸籍に求められるのは個人の履歴だろうと思う。それを戸籍と呼ぶかはわからないが。
国が戸籍制度をどのように必要としているかはわからないが、まあ大して必要としていないと思う。未だに紙戸籍の地方もあるのだから、それらを一体どのように集計し、何に役立てているというのか。それよりは一般的には個人が自分のことを証明する時に使っているものだ。その中で一番ボリュームが多いのが相続ということになり、一番相続に対応できていない。相続のために使いやすい制度になるべきである。なってもいい。
そのためには戸籍には自分の子供が記載されるべきである。現在戸籍の個人のところに父母と配偶者の記載はあるが子供欄はない。これが相続で戸籍がややこしくなる最大の原因である。
戸籍から自分の子供の名前が消えてしまうのはただ単に技術的な原因である。はっきり言うと「2度も書くのがめんどくさいから」でしかない。そんな無意味なことで将来に混乱の芽を残す必要はないと思うんですが。
どうでしょう。戸籍は少なくとも子供欄を作らないと意味がないと思うんですが。あと転籍と言って戸籍を他市町村に移したら前の戸籍は廃止され、新しい戸籍が作られるのですが、これもまた混乱の原因です。住民票と同じく「移す」べきです。和紙の時代では現物を送るわけにはいきませんでしたが、あ、そうそう、今でも情報は全て紙(戸籍届)でやりとりするんだった。そら2度書くのめんどいわ。
誰かほんと真面目に考えて欲しいのよね。これで回ってるからってこれが最善じゃないのよ!!戦後50年経ちます。