情報担当の部署で、住基カードの拡充を図る、というアクションを取るようになった。おお、面白い試みだな、と思って回覧文書を一通り読んだところでどうも懐疑的な気分になった。住基カード、何に使うねん。
今のところの一番大きな使い方としては、免許証がない人のID(身分証明)カード。これは確かに意味のあるものではあるが、いかんせん対象が狭い。
さらにうちの市では、独自サービスとして、証明書交付サービス、申請書自動作成システム、証明書等自動交付システム、公共施設予約システム、健康管理サービス、図書館資料の貸出サービス等を行っているが、どれも低調で、はっきり言って支所での取り扱いはない。このうちのいくつかは1〜2年後の打ち切りが決定している*1。有体に言って、独自サービスの使い勝手は悪いのでほとんど不要と言っていい。
他にも住基カードにはいくつかの機能はあるのだけれど、ほとんど意味がない。将来的な拡張性も見えてこない。うちの市では普及に向けて印鑑登録カードとして使うというのを打ち出すらしい。現在印鑑登録者が市の人口の6割ぐらいおり、その中の何割かを住基カードにさせようというものらしい。ちなみに現在の住基カード保有者は全国平均を上回る1.6%程度。ついでに言うと現在合併を記念して先着2500枚の住基カードがなんと無料*2
誰が誤解しているのかわからないけど、例えばうちの市の独自サービスである「証明書交付サービス」、これは現在図書館に交付機が置かれていて、カードを入れてむにゃむにゃすれば住民票と印鑑証明書が交付される、というもの。土日でも図書館が開いていれば住民票が交付される!やった!(ただ、うちの支所管内にはなく、その図書館までが車で30分かかる)で、誤解って?
住民票とか印鑑証明書って毎日たくさん交付されるから、住民の方がものすごく欲しがるものだと誤解しているのね。実際のところ、一般的な人にとって住民票や印鑑証明書なんてそんなに必要とするものじゃない。何年かに一枚、特別な事情があって必要とするようなものだ。なぜ毎日たくさん出るかというと、対象が全市民であるから単純に母数が多いのだ。
2年に1枚ぐらい必要として、うちの支所管内の住民が1.2万人、営業日を200日ぐらいだとして1日30枚ぐらいが出ることになる。まあ実感としてもこんなもんだ。
で、1人にとって2年に1枚です。住基カードなんて要るか?交付機なんて要るか?
現在の印鑑登録証(カード)を作るのに必要な時間は10分程度。住基カードを作るのに必要な時間は20〜30分程度かな(うちの支所では申請の受付しかやってないのでわからない)。ほとんどメリットないのにあえて住基カードを選択する理由があるだろうか。しかも本人確認が必要なので、即日交付には運転免許証が必要。となると身分証明書として住基カードが欲しい人は即日交付ができない。印鑑登録*3のついでにってわけにはいかない。
住基カードって一体なんなの。

*1:他のサービスに統合されるってのもあるみたいだけど

*2:他市では500円ぐらい

*3:こちらも本人確認が必要だけど、既に印鑑登録をしている保証人さえいれば本人確認としている