今日も懲りずに外国人関係の話。今まで(今年度の異動があるまで)外国人が日本に住むというのがどういうことかよくわかっていなかった。どういうことかと言いますと、彼らは入管で資格を得て日本に在留しているわけね。その基準が変わったことで、東海地方あたりでは日系人が急増し、またフィリピーナも激減した、と。許されたり許されなかったりってのは全く入管の恣意的なお話で。
で、その資格には在留期限が決まっている。この資格なら何年居れる、とか。概ね3年が多いんだけど、その他に永住の資格もある。今までも、そして今もよくわかっていないんだけど、永住と帰化ってどう違うんだろうね。個人的には永住するなら帰化してもいいのに、と思うけど。でも他の国にも永住と帰化の違いはあるわけで、これもスタンダードなんでしょうね。
スタンダードと言えばスタンダードじゃないものに日本の難民認定の厳しさがあります。よくニュースとかにもなっていたので、一般知識として僕も知るところではあった。この話が外国人登録事務にどう関係してくるのか、というと、最近気付いたんだけど、外国人が日本に入ったり住んだりするのに関わる入管法の正式名称って「出入国管理及び難民認定法」って言うんですよね。難民まで入っちゃったよ。ってことは難民の認定って法務省がしてるんだ。確かにニュースで法務大臣が…とは言ってたけど。
よく考えてみるとおかしいのは、ミニストリー・オブ・ジャスティスである法務省が担当しているのは法の遵守、取締りであって、難民認定とかは警察が裁判やってるみたいなもんです。そういえば刑務所も法務省の管轄です。
仕事中に「出入国管理及び難民認定法」を読んでみたんですけども(まだ前半:出入国管理部分、をちらっと読んだだけ)、大雑把にいうと「人を見たら泥棒だと思え」って書いてあった。酷い。例えばこれの五条のとこなんかを見ると、「病人と精神病患者と貧乏人と犯罪者と…は日本に上陸できない」って書いてある。カルチャーショックなんですけど、こんなに口調がきつい法律は今まで読んだことなかった。
この法律の後ろのほうに難民のことも載っているはずなんですけれども、いきなり口調が柔らかくなることはないですよね。
とにかく外国人は皇国日本には入れネーゾーみたいな勢いがすごい。
例えば民法と戸籍法の関係は、民法が実体法であるのに対し、戸籍法が形式法になる。家族関係を結ぶのは民法で、それを目に見える形で記載するのが戸籍法ってとこですね。それと同じような関係になるのが、入管法外国人登録法になるのだと思う。さすがに民法の対象は自国民なので優しいですけど、国民じゃない人にはほんと冷たいのね入管法、という感じで、それを記載する外国人登録法がいかに無表情でいようとしてもそりゃ冷たい顔になってるわ、と。
いかに僕らが丁寧に優しく事務をしたところで、官憲の手先であることは事実なのです。僕らの後ろには入管法がいかめしい顔をして構えている。実際のところ法務局とか警察とかから外国人に対する情報提供の依頼が来たら答えるというのが外国人登録法の一つの顔なのです。なぜ市町村までそれに手を染めるのか、と非常に残念な気分です。

さて、以下は久々にちょこっと戸籍の話。戸籍には報告的届出と創設的届出がある。報告的届出とは死亡とか出生とか起こった出来事に対する役所への報告であり、創設的届出とは結婚とか転籍とか養子縁組とかの自らの意思で家族関係を作ること、になる。
戸籍担当の仕事には、審査、というものがある。届出が適正かどうか審査し、受理する、というものだ。ところが死亡や出生は報告的届出で、不備があるからってこれ拒んだら大変ですよね。それに起こったことだからあまりややこしいことはない(子の名に使える漢字に制限があったりするけどね)。それに対して創設的届出はややこしい。これから創ろうとするものだからだ。こう創りたい、と思うことは無限だ。僕が庭の石と結婚したいと役場を訪れることだって可能なのだ。しかしこれは通らないけど。大なり小なりそういう話で通る通らないってやっているのです。
ところで戸籍の3大届出とでも言っていいようなものが、婚姻、出産、死亡届です。これらで全体の8,9割はカバーしていると思う。このうち婚姻届だけが創設的届出です。というわけで勉強するなら婚姻届を重点的にやればいい、ということになるな、と。そのくせ戸籍は転籍、分籍、入籍、養子縁組、離婚、等々種類が多すぎるんだよ、と思った。これらを平等に勉強してたら身がもたんぜ。