どうもふるさと納税には違和感を覚える。その土台には僕が地方出身で、地方へ帰ってきた人間だから、というのもある*1静岡県には製造業などの地盤があり、他方では地方出身者の受け皿ともなりえる。その点での深刻性の薄さと、東京へ定着した同級生なんかが地元へ納税する想像への違和感がある。そんなことされたら劣等感で苦しくなるよ。同級生がかわいそうな地元へ寄付するって?
関東圏には4000万人が住み、関東圏以外の出身者が3割だという。さらにこんな結果を勘案してそのうちの5割がふるさと納税を納めたいとする。そして所得税の1割がふるさと納税に回るとする。結果、全体の1.5%の税額がふるさとに還元される。関東圏に住む人たちの60万人分だ。
例えばある市町村では子供の5割が都会に出て定着するとする。さっきと同じように考えると、2.5%の税額がふるさとに還元される。そんなもんで教育コストが足りるってことかね。
受益者負担で考えるなら、都会と地方はお互いの間で調節する必要があるだろう。都会は地方からの義務教育修了者を受ける。それは個人の問題(お世話になったふるさと)というよりはインフラの問題だろう。都会でも地方でも義務教育と言うのが一緒なら、一律に同じ補助金を出すとかそういう方法があると思う。税額の調節や配分は地方公共機関同士の話であって、そこで個人に還元されるのはおかしいと思うのだ。
例えば静岡県で考えるなら、流入と流出がある程度バランスすると思う。さっきの話で言うと差し引き2割が県外へ流出するとして1%の税収増になるだけである。もっと小さく県内で考えるとしても、県下最大の政令指定都市2市ともが巨大な地方を抱えている。浜松や静岡というのはものすごい過疎地を含んでいるのだ。静岡県にはものすごい零細自治体というのは少ないのだ。(確か熱海あたりが一番やばいと思った)
都会の人はふるさとに一体何を望むというのだ。ふるさと納税という言葉自体が「ふるさとへは帰らないもの」というイメージを喚起し、僕は劣等感に苛まれる。

*1:さらに言えば税金で生活している人間であることもある