果たして世の中にプロというのはどのぐらいいるのだろう。
まず自分の働いている職場で考えると、「プロ」というのをある程度幅広くとらえたとしてもその数は少ない。異動が約3年周期であり、さらに新規採用から10年は「10年3課」と言われるように幅広い職場を回ることになる。少なくとも異動後の1年はその職場での「プロ」というわけにはいかない。2年でもどうかはわからない。年を経てまた同じ職場に戻ることを考えても(その時は求められるものが違うだろうけど)、1/4程度は非プロの状態にある、といえるだろう。
さらに、習熟の問題もある。効率や人員不足の問題から、働く人の習熟を待てないケースも考えられる。人材不足の野球チームは、育成すべき人材をオン・ザ・ジョブ・トレーニングしてるケースもあると思うけれども、それが個人のプロ化にとってマイナスの影響を与えることも考えられる。
オン・ザ・ジョブ・トレーニングということで考えるなら、人員不足はマイナスになる。プロとしての仕事を求めず、素人としての仕事(理由を求めずに決まりきった行動だけをする)を求めることになる。
例えば余剰人員が減り、新規の採用を減らすなら、当初は最適化するだろう。ところが組織がそこで完成したとしても、時代は進んでいくのであり、組織は変わっていく必要が生じる。キチキチに効率化した組織が形を変えるためには、身を削って他に貼り付けることになる。贅肉を削って他に貼り付けるわけにはいかないだろう。
端的にいえば、市役所にもそういう危機を感じる。かといって今までがプロだったか、というとそれもわからない。
逆に、「さらに素人化した仕事」自体が求められる、ともいえる。余剰人員が減ったのなら、余剰人員を増やす仕組みが必要だ。採用によることができなければ、仕事を変えるというのが一つの方法だろう。
そしてまたこういうことも思うのだけれど、プロが少なくても仕事が回るなら、世の中の割と大部分は素人だけでも回るんじゃないか、と。さらに、50歳になればそんなにプロなのか、と。
田舎でのコモディティ(日用品)化した仕事の中には、プロたることが求められる仕事は少ない気がします。そういえばプロ野球選手は転職しても給料は上がったり変わらなかったりしますが、一般的な人が転職すると給料が下がるってのはそういうことなんでしょうね。