合併した後で今まであったサービスがなくなったことに対して「サービスが悪くなった」、と言われることもあるが、ほんとはよくなったのだ。
できたことができなくなったことを指してそういうことは簡単だが、「できたこと」ってのは実はやらざるを得なかったことでもある。やりたくなかったとしても。
例えば合併した結果近くの役場から遠くの市役所へその事務が移ってしまった結果、サービスが低下したと感じることもあろう。私の職場はその元役場が縮小して支所になったところであり、人員も100人→20人へと大幅に縮小した。その20人の中の1人の視点から眺めると、なくなってしまった事務に対するお客さんはもともとすごく少なかったのだ。
逆の立場に立とう。例えば僕が去年までいた道路関係の部署*1はうちの支所からなくなってしまったが、道路名を教えるためだけの人間*2が自分の家の近くに存在していることが、世間一般にとってサービスになるだろうか?
それぞれの役場には必ず必要とされる業務があって、総花的に全てを備えている必要があるのだ。需要に関わらず。
また一つ別の視点。もともと今僕が働いている支所は100人から合併後には50人、次の年に30人、さらにその次の年である今年は20人になった。まるで衰退しているようだが、これは市役所本体が吸い寄せていることである。つまり、市役所全体の中で最適化していく過程なのだ。
これが何を意味するか。(ある意味での)サービスの向上だ。もちろん色々な視点があるのでそれを認められる人ばかりでもないと思う。しかし、少なくとも納税者一般は市役所を必要としていない。その声なき声を最大限に生かすなら市に求めることは不便さでいいのだ。(ちょっとこの話には抜けている視点もあるけれども)
市民サービスということで夜間の開庁をしたりする。これ職員にとってはそれほど問題ではないと思うのね(時間を区切っているから確実に残業代が出るから)。ただ、コストがかかると思うのよ。支所なんか夜開けててもほとんど人来ないし。それでサービス悪いっていうのか果たしていいというのか、まあコストにもよるけどね。人件費だって高いんだろうしさ。
ただ、問題はこういうのが目に見えにくいことですね。サービスが良くなったとは言え、市税だって下がらないだろうし。いままでがバラバラに最適化する必要があったのが、今はまとめて最適化できるってのは確実にメリットだと思う。
だいたい100人いたところが20人になってやっていけるってのはすごいサービス良くなった、ってことになりますよ。経費どんだけ減っとんねん。
まあもうすぐハコモノの話はありますが。あっちが声大きいとこっちも大きな声出したくなるようで。

*1:実は僕自身が本庁から支所へ異動してきました

*2:それが全てとは言わないが