市役所の窓口で仕事をしているということは非常に「材料」になる。例えば同じように窓口の形態のある、銀行や郵便局と比べることもできるだろう。
例えば電子マネーなんかもどうなんでしょうね。市役所で「エディ使えます」とか書いてあるような時代は来るのだろうか。まあ来たとして、それがサービス向上かはわかりませんが。
市役所の来客に占める多くの目的は、「証明」です。戸籍や住民票に始まり、「その人個人を証明する」こと。印鑑証明は、住民票に対応していて、「この住民票の人が、この印鑑を登録している」という形になっている。だから、別の市町村へ引っ越すと、印鑑登録は無効になる。住民票が除かれるからだ。
でも、証明するにあたって、市役所を介すことが必要なのか?他の情報で代替できないか?ってこともありますよね。
また、それでも市役所にそういう証明業務が残るなら、それは財産でもあります。市役所だけができる商売です。税金を払うということの中には、そういう巨大な住民情報を一元化して把握している機関があって欲しい、という要望があるはずなのです。
例えばGoogleが情報を囲い込み、個人向けの広告で収益をあげるモデルを考えているとします。Googleは検索で培ったブランドと、便利なサービスによって、利用者から情報を得ようとします。ところが市役所はすでに膨大な個人情報を持っているのです。
今のところ市役所はその財産を有効に使うという思想は持っていません。そして例え持っていたとしても、それはとてもデリケートな問題でしょう。さらには商用に使えば最悪の結果が待っていることでしょう。
しかし、それ以外に有効に使う方法もあると思うのです。先程挙げた、個人の証明業務もその一形態ではあると思います。さらにそれらを効率化するという目的もあると思われる住基ネットもそれに含まれるでしょう。
その上で僕が思うのは、戸籍や住民票や印鑑証明という形に囚われすぎることによって、証明すべき情報が曖昧なままであるということです。印鑑証明は、個人が印鑑を市役所に登録することによって押印と印鑑証明をセットとして、その押印が個人の承諾を示す、ということですが、個人の承諾を示すために、必ずハンコが必要というわけでもないでしょう。外国ではサインという文化もあります。
印鑑を市町村に登録するためには、本人確認が必要です。逆に言えば、印鑑登録という過程を通して、個人の承諾を示す→本人確認が必要、ということになります。つまり、印鑑証明の効能は、本人がいなくても、印鑑証明と押印があれば本人確認と同じ意味、ということになります。おー、書いててわからなくなってきた。
つまり、証明需要は何かということです。市役所側が証明需要を把握し、必要な証明サービスを考えることもできるはずってこと。これから時代が変わる中で、証明業務というほぼ全ての住民に関係するサービスもものすごく変わっていく必要がある。
ちなみに今でもすごく変わってきていて、住民票や印鑑証明は市役所に来て1分ぐらいで出せるようにはなっていると思います。ただ、市役所に行くのが手間なのは従前通り。