考え込んでしまう。
仕事から帰ってくると、親父が居間でクーラーをつけて座っている。いや、そこまで暑くねーぞ、と思ったけど、言うと機嫌が悪くなるので言わない。台所へ行って仰天。前触れなしの新しい冷蔵庫。「あーあーうー!」と言葉にならない感慨でもって父を呼ぶと、近所の電気店(町の電気屋さん)で買ったとのこと。急転直下!以下次号!
いくら僕が財布の紐を締めて生活したところで片方が穴の開いたバケツじゃなあ。しかもこの冷蔵庫、でかいんじゃねーか。常々冷蔵庫というものに疑念を持っている僕は呟いた。値段は17万円であるという。嗚呼。
僕の生活ときたら。そこで僕は蛇口の下にコップを突き出して水を入れる。飲み干して曰く、「主な飲み物は水道水(井戸水だけどな)なんだぜ?」。部屋に戻って窓を開け、扇風機をつけるわけだ。水と扇風機。これが僕の夏なんだぜ?
そんなわけで冷蔵庫をひとしきり仔細に眺めてみたけど、まあ悪くないんじゃないの。一般的には。ナショナルだし(冷蔵庫はナショナルだろう、ってのは電気屋でバイトしてた時に思った)、サイズもまあ大きすぎるってわけでもない。
でもまあ僕はもっと低いところにいますから。冷気を食うなんて勿体無くて。