超ヤバい経済学

超ヤバい経済学

超ヤバい経済学

ヤバい経済学の続編。前作同様面白い。行動経済学に分類されるらしいんだけど、最近この分野の本が増えてきて、天才なんかもこの分野に入る?らしい。経済っていうとマクロってなるけど、ミクロ経済学からの反撃ってところだろうか。その心は?「人はインセンティブで動く」
さて、面白そうな事例をいくつか。
・インドではテレビが普及したら女性の地位があがった。
・お医者さんがストライキすると、その地域の死亡率が18〜50%も下がる。
ノーベル賞取るか野球の殿堂入りすると寿命が伸びる。一般人は年金保険を買えば伸びる。*1
・テレビをたくさん見て育った子どもは、大きくなってから犯罪に手を染める可能性が高い。(一番強い影響を受けるのは生まれてから4歳までの間)
1840年代、ウィーンでは権威のある病院で出産するより、自宅で助産婦さんに取り上げてもらったほうが、産褥熱で亡くなる確率が1/60だった。当時の医者は死体を解剖した手を水で洗うぐらいで出産に関与していたから。
・アパートの谷間で起きた「38人の市民が、殺人者が女性の後を追い、3度にわたって暴行し、刺すのをただ見つめていた。誰も通報しなかった。」って有名な事件は警察と記者のインセンティブから出た飛ばし記事だったのかも。
・水道水にフッ素化合物を加えるなんて単純なことでさえ、歯科医療費を一年に100億ドル安くしている。
地球を冷やす方法はある。それも格安に。ピナトゥボ火山は実際に成層圏に亜硫酸ガスを噴火で飛ばして地球を冷やした。それを人工的に行えば、他の方法に比べて驚くほど安く地球を冷やせる。


読んでいて心地いいぐらい、固定観念がひっくり返ります。そして、もちろんこの本だって丸々信じちゃいけない。著者には嘘を書く事に対するインセンティブがあるかもしれないのだから!

*1:なるほど、日本の平均寿命が長いのは手厚い年金にあるか。白骨化しても生きるぐらい。