外国人受入れと社会統合に関する国際シンポジウム(3)

今回なぜこのシンポジウムに行こうと思ったかなんですが、
・「外国人受入れ」について、日本政府として、日本社会全体として、今後どのような基本方針とビジョンをもって臨んでいくべきか
・今回のような急激な景気後退による外国人労働者の雇用喪失に対するセーフティー・ネット(雇用、住宅、教育等)のあり方
・日本社会における生活者としての外国人の社会統合について、具体的取組みのあり方
について考える、とあったので興味を持ったのでした。別のところで内閣府の方が内閣府定住外国人施策推進室が発足し今回のシンポジウムで何かを報告するようなことを言っていたから、というのもあります。国としてのビジョンが明確になったのかな、というのが僕の興味でした。
社会統合については今までこのような場で何回か聞きかじっているような理解の講演や報告が行われました。経団連からは奥田名誉会長の講演があり、経団連の立場としては「1質と量をコントロールし、2人権を守り、3送り出しと受入れの双方の国にメリットがある」という形での外国人受入れに積極的であり、コントロールするために、政府の分散された担当部署を統合してこの問題にあたるべし、ということであった。他、特筆すべきこととしては、ヨーロッパにしても移民の社会統合は難しいということ、外国人集住都市会議の悲願である外国人台帳制度の法制化が迫って敏感な時期であること、等報告があった。日本としても機が熟している、というイメージ。
そこで後半に前記内閣府定住外国人施策推進室および文科省の国の担当者からの報告もあった。昨年12月に総理から指示があってこの室を作ったこと、小渕大臣が担当すること、という経緯が説明された。当面の対策としては現在の経済危機による外国人向けの対策の策定する、そして当面の対策以外もとにかくネットワークの破れをパッチワーク的に対処する場所を探していく、ということらしい。将来的な移民庁、外国人庁、というものへ向けた布石なのか、それとも徒花なのかはわからない。そんなわけで期待していたよりも進んでいるような遅れているようなという微妙なイメージだった。
シンポジウム終了後に懇親会が行われ、無料で飲み食いしてきた。著名な教授や、国のお偉い方がいたようだが、2人ぐらいの顔見知りと挨拶する以外は手持無沙汰で、ただご飯を食べ、ビールを飲んだ。自分の立場としてはここのシンポジウムに集まる人とは違うんだよなあ。たまに外国人登録関係者が被る時はあるけれども、今回は少し外れていた。こういう時は教育関係者が多いのかな。いや、まあある意味全員部外者というか、範囲は広いんだろうけど。