固定観念

一度固定されたものは強固な思い込みの元になる。この地に発生したブラジル人は、例え一時期それが減ったとしても、みんなの心の中にイメージがある限り、また復活するものだと思う。彼らの中にはすでに二種類の故郷があろう。
今日、日本人がブラジル人に「久しぶりだね」というように声をかける姿を見た。いや、今日だけではない。それぞれに色々なイメージがある。きっとブラジルにも彼らのいたイメージと、彼らを覚えているブラジルでの隣人の記憶のイメージがある。日本に残った彼らの家族の中のイメージが、彼らをまたブラジルに引き寄せ、ブラジルに帰った彼らが日本に帰った家族を引き寄せ、またどちらの隣人もまた彼らを引き寄せる。
いつの間にか、僕の頭の中はブラジルで一杯になってしまっている。ところできっと在日ブラジル人は日本人になっていくだろう。これから日本の中のブラジルがどうなるかは、今回帰ったブラジル人がどのように日本とブラジルを繋ぐかによるのだろうと思う。