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脳が冴える15の習慣 記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)
- 作者: 築山節
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2006/11/08
- メディア: 新書
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- 作者: 水木しげる
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1995/06/07
- メディア: 文庫
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「総員玉砕せよ!」に関してはある程度今の歳だから読める、というのもある。巡り会わせとして、水木しげるがちょうど僕の前にやってきた、というような。
この作品では、昭和の若者、の描写、という印象が強い。水木さんは物事を捉えるのが非常にうまいのだ。何の変哲もない登場人物が巧みに描き分けられていて、ほとんど人物を混同することがなかった。非常にたくさんの人物が出ているというのに。それだけに真実に近いのだろう。デフォルメというのは人間が見るに近い形なわけだ。
出来事の軽重に関しても同じく。日常で起こるかの如く淡々と並べられる非日常な出来事は、まさに日常だったということだろう。爆撃が例え非日常だったとしても、それ以外の普通に過酷な日常でも過酷な出来事はあるのだ。それが平成の若者と昭和の若者との差異でもあり、共通点でもあろう。
さて、あとがきにある水木氏の言葉にこんなものがある。「「玉砕」というのは、どこでもそうですが、必ず生き残りがいます。」そういうことを結局我々は実感として知らなかったのではないか。それがつまり生きるということだろう。ある現象が一言で表せるものかどうか。
それはともかくとして、すさまじいエンターテイメント作品だと思った。