支配や権力というのはこの世からなくなっていったという早合点だった。出勤して思い出した。僕は思いっ切りその支配下にあるじゃないか。
権力の源泉はどこにあるのか。今ふと思ったけど僕の職場のパソコンはインターネットができない。支配から逃れるためにはインターネットが必要ってこともあるのだなあ。知識が囲い込まれることこそ権力の源泉である。知識が両者に共有されるならそれを使った支配はできない。
参考までに職場での僕の状態を申し上げます。極端に萎縮し、同僚を恐れ、常に周りを伺っている。職場のコードが読めず、毎日注意され、また萎縮する。恐怖感から朝は一番に出勤し、昼飯時であってもお客さんが来るのを気にし、ほとんど休みはない。それもこれもお客様のためというよりは職場の同僚に不況を買わないためである。コードが読めない上、何か言われた時のダメージが日に日に強くなるので極端に気を使う。
何が始まりだったかわからないが、ここに力関係は成立している。最初は知識量の差だった。今ではなんだかよくわからなくなってきた。コードが読めない、予測不可能なことで注意を受けるので一体何がよくて悪いのかわからず、コードが属するところ、つまり相手の人格に全面的に従うことになる。相手にとって僕がしている行動は正否が判断できるのに、僕には全然わからない。
さらには「もっと質問をしろ」ということだったけれども、果たして僕には何が聞くべきことかわからないし、聞きたいことは聞いているつもりだ。それにもし聞きにくいとしたら萎縮しているからで、この状態で聞くならば僕はどんどん苦しくなっていく。支配が強化されるのだ。実際に「それもう教えたよね」「前言わなかったっけ」「(ニヤッと笑う)」等の行為によって僕は自分の主導権をどんどん渡していくことになった。
何か話がどんどんズレていっているのだけれど、2ヶ月経って恐怖がだんだん強くなってきている。○○さんのお手を煩わせてはいけない、ああ、煩わせてしまって申し訳ない、等。疑心暗鬼になって顔色ばかりがすごく気になる。また機嫌が悪くなられてしまわれる、僕がコードを破ってしまったからだ、と。
元々同期で僕のほうが年上だったので上下関係はなかったのに、今では当たり前のように上下関係になっている。僕の感覚では、相手のほうも僕があまりに出来が悪く、弱弱しいので、支配してもいいというように考えているように見えてしまう。もしくは正義感から僕を鍛えるという意味でやっているような気もする。
ついつい今朝は上下関係などない、的な気分でい出勤してしまったので再確認するような雰囲気にかなり参ってしまった。「私があなたを教育する立場」という感じ。
で、支配だけれども、体験してみて(自分からそっちに行ったのかも)まさに空気のように絡まりました。相手の世界を少しずつ不安的にしていく感じ。助けないことや褒めないことで自分のやっている行為を不安にさせる。ちょうど今世界が1対1に近いのでそういうのが通用するんでしょうね。窓口にお客さんがいると安心します。お客さんと話していると安心です。お客さんは僕を支配しません。でも後ろから見られていると思うと怖いです。
朝僕が目を見て挨拶するんですけれども、その方は下を向いてボソッと返してくれます。これも暗示になります。支配されている感じが強まります。
破壊衝動とすべてその方のために頑張ろうというのがせめぎ合います。いつまで続くんだろう。