昨日今日と戸籍についての研修を受けていたから色々考えるのだろうけれども。
いろいろな用語・慣用句みたいなのがありまして。3代戸籍の禁止の原則ってのがあって、つまりそれは戦前の家制度の戸籍のことで、孫から見たおじいちゃん、おじいちゃんから見た孫が入っているものなんです。それの禁止ってことは、今は親と子だけの戸籍になっているってことです。
ところがわけのわからんことになるのは、養子縁組の場合。まさに家に入る養子のことなんですけれども、これがややこしい。例えば離婚してるけれども子供がいる人が、どこかの家に養子に入る場合、養親という養子を取る人の夫婦の戸籍に入ることになるんですよ。子供は?入らない。一人残される。同一戸籍は同一氏の原則*1があるので、養子に入った親の氏は養親のものと一緒になります。ところが取り残された養子の子は、今までの氏のままです。自分の親と氏が変わっちゃうのね。それじゃあ、っと養子の戸籍に入って同じ氏になろうとする。ここで必要となるのが入籍届なんですねー。晴れて入籍したところでどうなるか。そうすると養子は養親の戸籍を抜けて自分の子供のところに帰って新しい戸籍を作る。あれ、何か最初と一緒だー。
同一戸籍には3代が入れないから無理して何とか辻褄を合わせている感じです。そんなら戸籍はもともと夫婦単位じゃなくて個人単位にすればいいのに、とか思ってしまう。
こういう養子とかの方法を使えば、結局家制度をなんとか再現できるんですね。例えば婿入り後に養子縁組とか。まあやってる人少ないでしょうけど。昨日も書いたけど、化学繊維のように家制度を再現できてしまうことが結局意識が変わらない原因かな、と。
それはそれとして、こういうのは結果的に身分関係を固定化させていると思う。そういう身分関係を固定化することのメリットってあるのかな。何かを制限すると言うことは、それ以外のところにものすごく力が集中する、ということでもあるのだろうし。
話は全然違うけど都会の人はどうやって相続するのだろう。本籍地まで戸籍を郵送請求してるだけかな。遺言なしで相続ができる制度(つまり戸籍制度ね)ってのはすごいわけだけれど、夫婦と子という単位でいいのかな。
ところで実の親子関係ってのは戸籍上切り離す制度はない。「お前なんか勘当だ!(子供心に怖い言葉だったなー)」なんていくら言ってもそりゃ単に言ってるだけ。例え婚姻で戸籍外れてもその親は辿れるんですよね。そんなわけなんで、別に戸籍の単位が夫婦である必要はないなーと思うんですよねー。

*1:こんな原則ばっか