ビル・ゲイツの資産は大雑把に言って6兆円である。世界人口が60億人だとして、全員に配れば1人1000円になる。さて、ビル&メリンダゲイツ財団についてですけれども、バフェットからの寄付も含めて前記と似たようなもんだと考えてもいいでしょう。
善行について。ビル&メリンダゲイツ財団が例えばどんなことをすればいいのか。ゲイツマイクロソフトを通して6兆円を得たことは、間違いなく抜群に善行だったわけです。ウィンドウズというOSを得てパソコンが世界に広まったことの利益は、ゲイツが6兆円を得るどころではない価値があったでしょう。
普通に考えれば、ゲイツはその6兆円を自らのビジネスに使うべきです。退いたのはその価値がなくなったからでしょうか。またはバフェットも株式投資を続けてもいいでしょう。
ところで還元の、つまり狭義の善行のタイミングとはどうあるべきでしょう。ゲイツもバフェットも利益を最大にするような善行を考えるでしょう。それこそが自らの徳を最大にすることでもあるだろうし。
世界にとっての脅威は、未だに貧困と飢餓でしょう。もちろんゲイツ財団の標的にもなるでしょう。そこで冒頭の1人1000円になります。お金はどのように使えばいいでしょう。
例えば。世界中の全ての人が1000円づつ出して宝くじを買ったとする。ところが実は買ったのは宝くじではなくて、マイクロソフト株だったとする。そして配当や値上がりを含めて毎年6%の利益を出すとする。そしてそれが40年続くと10倍の10000円になる。
何か違うなあ。僕が考えているのは貧困がなくなったり、教育がよくなったりすることで生産性が飛躍的に上昇するということ。例えば1日1ドル以下で生活する人たちが10億人いるとして、この人たちが生まれた瞬間に先進国に移動すれば先進国の人と同じ生産性になる。あんまり生産性の意味は突っ込んでないですが。
先進国の人口も10億人とする。ここに発展途上国の人々の能力が加われば、世界はどんなに良くなるだろう。日本では子供の教育に総額3000万円かかると言われますが、ビルとメリンダがそれを肩代わりしようと思ったら20万人分まで可能です。30万円だったら2000万人だけれども、発展途上国での教育ってどれぐらいかかるんでしょうね。