笠辺哲 短編マンガ集 バニーズ ほか IKKI COMIX

笠辺哲 短編マンガ集 バニーズ ほか IKKI COMIX

久しぶりに新しく漫画を読みました。一言で言うと何か「気になる」作風ですね。前提の奇妙さと奥深さを感じさせつつ手前の部分で転がある。起承転結の起が特殊で、承が何気なく、転が唐突で、結がさりげない。やっぱり気になる。気になるといえば女性の描き方が魅力的です。僕はこういう絵はうまいと思います。非常に特徴のある、というか他で見ない絵ですね。
話としても短編集ということもあり、作品の解釈をこちら側にさせてくれるような感じだった。詩集に近いというとまた語弊があるけど。
ところでイパネマの娘は藤子異色短編を思い出させた。なんて話だったかなー。いや、モジャ公を思い出したのかな。

絶望に効くクスリ―ONE ON ONE (Vol.6) (YOUNG SUNDAY COMICS SPECIAL)

絶望に効くクスリ―ONE ON ONE (Vol.6) (YOUNG SUNDAY COMICS SPECIAL)

ちょっと違う方向に行っているような気が。そもそも僕が絶望から離れ始めているからな。何度も書くけど、環境危機をあおってはいけない、で僕は絶望から決定的に脱しました。世界は良くなっている。今はその過程だ。その意味で現状に対する憂いから入る本書はちょっと距離があったのだけど、永田農法創始者の永田さんの回で近くなったのを感じた。共時性であれば面白い。この本の最後はネタバレになるけど永田さんの「日本はよくなりますよ」というセリフで閉められているからだ。
興味深い話として、将来的な農業の工業化みたいな話があった。農業もかなりの生産性の向上が期待できる分野なのではないでしょうか。
*そういえばwikiユニクロがやったのはこれだ、って書いてあったのが「へ〜」。人はわかる時にならないとわからないのだなあ。農業の株式会社化みたいな話もあったけど、これは要はなかなか採算ベースに乗らないということを先駆者たるユニクロが既に実証してくれているとは。実はかなりすごい人なのかな、柳井さん。