姉歯。珍しい名字ですね。名字はともかく、殺人建築士(?)として有名になってしまいました。
一応うちは役所であり、建築確認に関係してないとは言えなくない。建築確認は民営化されて、今では役所を通さずに家が建つ。東京の会社が図面を確認して、静岡の現場を見ずに建築にOK!を出すことができるのだ。現にそれで揉めるケースだってうちにもある。
今でも役所で建築確認はできる。ただ、時間がかかる。理由は色んな課を回るから。セクショナリズムの弊害ですね。建物は建物課、排水は道路課、都市計画は都市計画課、ですよ。例えば道路担当であるうちが見るのは排水(下水がない場合は合併浄化槽で浄化した水を側溝に流す)と道路境界等である。建築確認の書類がそのように回ってくる。
役所を回れば間違いが少ない。建築云々というより、感情として。例えばうちが知っていれば地元から話が来た時に答えることができ、間で調節できる。しかし、民間の確認会社を通ると知らない間に建物が建ち、後で揉める、ということは有り得る。
役所が見たからって今回のような悪質な騙しまで見抜けたかはわからないが、関係課が多いので見られることが多く、それが抑止になったかもしれない。
規制緩和と民営化には弊害もある。一概にどうとは言えない。社会的にどっちのコストが安いかわからんから。地震さえ来なければ姉歯さんが正しい。地震が来ても震度9とかなら姉歯さんが正しい。震度5だった場合も昼に来れば正しい。そういう計算はわけがわからないが、一度そういう評判がついたらアパートが売れないので姉歯さんは正しくなかった。規制緩和しろ!と叫ぶのは、耐震基準を緩和しろ!と同等なのに。意外とみなさん地震が嫌いみたいでビックリした。