イキガミという漫画にリアリティがないのを自分の立場から推測すると、「区役所に戸籍課がないから」だと思う。戸籍課というのは特徴的な名前で、そもそも僕は戸籍のことを嫌いなのでそのへんを抜いて考える必要はあるけれども、区役所ならびに市役所町村役場で戸籍課という名称を使っているところは少ないのではないかと推測する。
小さな市町村では戸籍だけで課が作れるところは少ないし(規模としては30万人以上の住民は必要なのではないか)、ある程度大きな市町村になれば戸籍謄抄本*1の発行は住民票の発行と同じく証明書発行サービスと捉えられるから戸籍だけを切り離した仕事にはしにくいため、市民(住民)課、市民サービス課、窓口課、などという名前になっていることが多い。
戸籍が戸籍たる所以は、まさに管理だからである。その思想に「住民」や「サービス」といったものはない。そもそも市区町村の中に戸籍課というものは名実ともに不要なのだ。ついでに言えば戸籍は住民と全く関係ない。東京なんかでは本籍が東京じゃない人が多いだろうし、逆に千代田区では皇居を本籍にしている人*2が多いという。
どこの市区町村であっても国のお役人よりは住民の顔色を伺っている。そりゃお金は国が出してくれるけど、窓口で直接色々言われるのは住民からだからね。そんなこんなで管理色の強い名前は後退し、実際に管理色も弱まっていると思う。市区町村がお役所だ高圧的だ云々言われようと住民を恐れて色を変えているのは事実。市区町村にはどんな力もないというのが僕のイメージだ。
いくら市区町村が国の手足だからってメールマンをやるってのはちょっといくらなんでも。そんな社会になることは絶対にない、と思えるからこそリアリティが感じられない。

*1:この言い方キライなんだけどね・・・

*2:もちろん住んでいないし、どこに住んでいても本籍を皇居にできる