この仕事に就く前に考えていたことと、今考えていることって違ってくるんだよね。
例えば局所均衡というか自分たちのために借金を減らして財政を健全化しようとしている行政に対して憤りがあった気がするんだけど、今は自分が「無駄な出費を減らして自分たちの部署のプライマリーバランスを黒字にしたい」と思ってしまうものね。参考
「小さな政府」って言葉があると思うんだけど、「小さな」ってのがどういうことかってこと。インフラが整わなくてでもインフラにお金をかける力がなくてヒーヒー言ってて、でも政府小さいです、ってそれ小さな政府なのかっていう。弱い政府だ。
夜警国家。例えば何が政府のやるべき仕事なのか。それは市場が失敗するところである。公共財というか、まあ僕が今いる「道路」だってそれに当てはまるわけですよ。フリーライダーが発生するから、商売で作るのは難しいんですよ*1。そういう道路が必要なだけ作られない国は、インフラが貧弱だ、となる。そうなると適切な水準のインフラは政府が責任を持って整備すべきだ、となろう。
話は飛び飛びだけど、土木業者は仕事が少ないと嘆く。そこに労働力は余っている。行政が発注を手控えたところで労働力の供給は余って使われないだけのことだ。住民からはインフラ整備に対する要望は強い。もし行政がお金を持っているなら仕事を発注して労働力を適切に活かすことができる。
んーっと、僕道路のこと以外はよくわからないんだけど、例えば病院とか福祉とかってどうなのかな。道路には需要がある。誰もが道路を使っている。で、病院は私立がある。民間福祉施設もある。
むー。例えば行政が儲かっている会社を持っていたとします。鉄道でも石油会社でも何でもいい。で、道路作ってももちろん儲かりません。どっちを手放すべきでしょう?ときたら儲かっているほうですよね。儲かっているほうを行政が持ち続けることは、例えば非効率を固定することであったり、需要や供給を歪めることに繋がる。他方、儲からない公共性の高い事業はまさに税金がする仕事です。
てなわけで採算性が良いことは行政が避けるべき分野なのだろう、と。税金を効率的に使う、ってのは税金を使ってお金を稼ぐことではないし、かといって不要な道路を作ることでもない。難しいねこれ。

*1:そういえば商売で作る道路もある。宅地分譲などの開発で業者が道路を作る場合だ。でもやっぱり問題多いんだよね。今考えればそういうことか、と。