終身雇用だからこそ、日本の雇用調整は進まないのだろうなあ、と不意に思った。進めるべきかどうかは措いといて。極論すれば今就いている仕事を辞めたら仕事がない、という人が大半なわけですよ。それもその仕事が特別なスキルを要求するわけでもないのに。どういうことなんだろうなあ。やっぱ対人で仕事してるからかな。顔を売ったり、AのことはBさんに、とかそういう生き字引的な仕事の進め方だったり。
こないだ談合で大御所みたいな人がいたけど、「談合のことならBさんに」だったんだろうなあ。Bさんがいない仕事ってのも十分考えられるんだけど、今いる湯船から隣の湯船まで寒風の中突っ走るのはつらかったんだろう。で、きっと本人も談合は必要悪、むしろ必要善ぐらいに思ってたのかもね。それが仕事で、局所最適だったんだろうから。俺お風呂の温度をめっちゃうまいこと調節したってんぞ、言うてもそこ露天風呂で隣に家が建ってきてあなた裸ですから、的な。
例えばある産業が全く斜陽になったとする。そうですね、よく武士がやっている傘に紙を貼る産業が斜陽になったとしましょう。「㈱傘紙貼り」という会社がたくさんの従業員を抱えているとして、ここが倒産したら従業員は路頭に迷ってしまう。迷う?でも思うんだけど、営業の人とか経理の人とか全然どこでも同じ(ような)仕事でしょう。そこで鞍替えできてもいいと思うんだよね。
逆に「㈱傘紙貼り」が事業多角化をして不動産販売を始めていたとしましょう。その場合、全ての従業員を不動産販売部門に割り振って解雇を切り抜けたとしましょう。でも、それが本当に不動産販売の会社にとって最適な社員達ですか?違うような気がする。
会社に合わせて個人が変わることが難しく、個人に合わせて会社が変わることは可能。なんか逆っぽい。
個人はもっと鞍替えできてもいい。例えば公務員と民間はもっと相互乗り換えみたいなのができてもいいと思うんだよね。特に。