デフレはなぜ怖いのか (文春新書)

デフレはなぜ怖いのか (文春新書)

日銀の量的金融緩和解除予測でまさに今クリティカルな(ごめん適当な単語が思い浮かばない)話題であるデフレ。本書は多分1年ほど前に買って放置していたのですが、最近になってどうも日銀周辺がにぎやかなので読んでみようとしたら面白かったのでちょっと時間はかかったけど読み終えました。
簡単に言うと「お札を刷ればデフレは終わる」に尽きる本。僕はアホやからそれぐらいでとりました。デフレは他の何が原因でもなく金融政策から生じ、他の何が原因でもなく金融政策で終わる。つまり、日銀さん、ですよね。
なぜ日銀はそーゆーことをしないのか、について、①特定の人(デフレで儲かる人もしくはデフレが終わると損する人)の声が大きいからだ、ってのと②日銀や政府がその特定の人だ、ってのが挙げられていた気がする。でもわっかんないなー。僕が公務員試験を受ける時にも経済学という科目はあったし、その試験を突破した人が官僚や日銀の人になってるのではないの?
話は前後するけど、この本ではデフレの原因や解決法を簡単かつ基本である経済の公式から導いている。確か僕も勉強したはずだけどあんまり覚えていない*1
要はデフレを終わらすにはマネーを増やせばいい。マネーというかマネーサプライ(預金+現金)で考えるのだけれど、日銀はこれを左右することはできない。日銀が操作できるのはハイパワード・マネーという現金預金と民間銀行の日銀への預け金の合計である。これを式で表すと、
マネーサプライ=信用乗数×ハイパワード・マネー または
マネーサプライの変化率=信用乗数の変化率+ハイパワード・マネーの変化率
である。(式はこれだけではないけど、こういう簡単な公式から論を導いている。そして現実にも合致してくる。)だから日銀がハイパワード・マネーを増やせば、信用乗数に左右される面もあるけども確実にマネーサプライは増える。そのハイパワード・マネーを増やすためには例えば買いオペ*2(日銀が市場で債権を購入すること)を行えばいい。これを「お札を刷れば」で例えると、札を刷って日本の借金を買っていくので円の価値は下がる。必ずインフレになる。インフレにならないとすれば日本の借金がなくなるだけなのでこんなにいいことはない、ってこと。
まあそういうアウトラインはいいとして、現在の状況がどうなのかまるで僕にはわからない。少なくともインフレターゲットは導入したほうがいいなあ、と個人的には思うけど、公務員なのでデフレが続いてくれてもいいはずです、汚い話。でも景気が回復してくれたほうが気分的にはいいよね。

*1:公務員試験の勉強だけだからねえ・・・

*2:無理に公務員試験のイディオムを使ってみたけど、合ってたっけ?本には「オープン・マーケット・オペレーション」って書いてあった