自転車市民権宣言―「都市交通」の新たなステージへ

自転車市民権宣言―「都市交通」の新たなステージへ

広島で買いました。だから何って話でもないけど。
自転車って、法律上にさしたる規定のない、オバケみたいなもんなんですよね。一応軽車両であり、車両に分類され、基本は車道通行なんだけど、一部歩道(歩行者自転車道)では歩道通行も化、とかいうよくわからないもの。まあ日本では法律上存在していないようなものですね。放置自転車としてのみ、可視化される。
車道を走れば自動車からのプレッシャーと危険にさらされ、歩道を走れば歩行者の通行を妨げる悪者に。そもそも車とも歩行者とも相容れる速度じゃないのに。ついでに自転車は車両だけど、速度違反や飲酒運転などの罰則がないのだよね。どっちも法律違反だけどね。
この本は、そんな自転車に市民権を与えよう、というもの。さらに踏み込んでは、都市交通を自動車から自転車への転換をはかるべき、という提言。エコサイクルマイレージ、というサイトが母体となっての活動の一環です。
さて、感想と言いますか、僕が住んでいる田舎というものは、この本の射程とは少しずれるかも知れない、と思いながら読んだ。田舎であれば、どうあっても自転車はある程度の自由な通行ができるからだ。そして歩道には歩行者も自転車もいないので、かなり優先的に通れる。僕の通勤コースで、自転車とすれ違ったり*1、追い越したり追い越されたりというのはほとんどないのだ。
考えるのであれば、今働いているところの所在地には駅もあるし、街というべきものもあるので、自転車の総合政策も必要だろうな、ぐらい。
何より自転車に乗り換えた場合のインセンティブが先に立つ必要がありますね。この本の中の名古屋市の事例、自転車通勤にすれば通勤手当が倍(逆に近距離自動車通勤者は半額)ってのがいいなあと思った。うちの市でもこうなればなあ(と思うがなったら僕は貰いすぎると思う。月に2万円以上通勤手当を貰ってしまえばそれは労働になりそうだ。)。
だいたい郵政民営化が約束だって言うなら、京都議定書だって約束じゃねーのかよ?

*1:考えてみれば僕は田舎から都市へ向かうルートなので、すれ違うのは通勤通学で都市から田舎=仕事場も学校もない、へ向かう人であり、そんなのいるわけない