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- 作者: 三橋規宏
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2004/12/21
- メディア: 新書
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大枠で言うと、環境と経済(企業経営など)をどうやって両立させるか、という本。個々の事例が面白い。例えば富士の煙突撤去、霞ヶ浦のアサザプロジェクト、滋賀、静岡の菜の花プロジェクト、葛巻の自然エネルギー発電など。経営では、セル生産方式、NGOと企業のコラボ、ストック重視経営など。
この本の最後にも触れてあったけど、環境を考える時に、「自分ひとりだけが」っていう視点ってのはあると思う。従来の感覚だと、「自分ひとりだけが損をする(誰かがやればいいの裏返し)」というものだったが、「自分ひとりだけが得をする(誰もやらなくても自分がやれば利益が出る)」という構造は既に成り立つようになっているのではないか。
例えばNEDOの新エネルギーに対する補助金率は50%だったりするわけですよ。これは明らかに「やったものだけが得をしている」領域だと思う。上記葛巻町などは半額で風力発電所を建てまくって尚且つ町おこしにもなっているんですから。
補助金には賛否あると思うけど、普及が進めば単価も下がるような施設であるなら、補助金にも理由はあるだろう。それにしたって50%の補助金ってなかなかないよ。渦中にあるからこそ手を挙げた人が得になるようになっているのだろう。
利に聡い人こそがこういった問題に目をかけとくべきだよなあ、と思います。