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物語消滅論―キャラクター化する「私」、イデオロギー化する「物語」 (角川oneテーマ21)
- 作者: 大塚英志
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2004/10/01
- メディア: 新書
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語り下ろしという形式にも関わらずかなり難解な部分もあったが、なかなかに刺激もあった。全体の主題は「イデオロギーを代行しはじめた『物語』にいかに抗していくのか」ってことでそれに対する結論が「近代文学のやり直し」あるいは再構築が処方箋として有効、ってことなんだけど(あとがきに書いてある)、論としては著者のバックグラウンドである民俗学のことが詳しくでていて、そこが僕には難しいところではあった。
あとは細かいところでいろいろと。僕は1980年生まれなのだけれど、今まで自分の人生を年代に帰結されるような形で考えたことはなかった。80年代というのが筆者によれば、現実の物語(マルクス主義とか)が崩壊して虚構の歴史に移っていった時代であり、TRPG*1やグループSNE*2やガンダムや村上春樹*3などはその影響下にあるという。そしてそれらは全て僕が90年代に影響を受けた物である。
そう考えると僕も80年代的な歴史の崩壊に影響を受けているはずだ。人間は時代からは自由じゃないのだなあ。
いろいろ思ったのだけど、特に個人的な部分は上記なので、他の感想は省略します。情報量の多い本で、元オタク的にも楽しめる本でした。
追記:関係ないけど、友野詳ってまだ活動してたんですね。昔ものすごくハマってたんですけども、後から考えると何が面白かったのかよくわからないっていう、一番人に説明できない読み方をしていました。あと、ガープスも。自作のキャラクターシートをマックで作った記憶がありますよ。
まあ、いいんですけどね。