子どもが減って何が悪いか! (ちくま新書)

子どもが減って何が悪いか! (ちくま新書)

この本がいう「子どもが減って何が悪いか!」ってのは「減って悪くなってもいいじゃないか」ということで、「減って悪くなることはないぜ」ということではなかった。僕は後者の新しい見地を想定していたのでそこはちょっと残念だったけども、傾聴に値する本でした。
端的に言うとそのまんま、「減って悪くなってもいいじゃないか」っていうことなんですけども。もう少し丁寧に言うと「男女共同参画の達成、もしくはそれを組み込んだ少子化対策は、少子化を食い止めていない」というもの。そういうものにそういう視点(少子化対策)で税金を注ぎ込むべきではないし、選択に対してサンクション(懲罰や褒章)が与えられるべきではない、と。少子化というものは不可避のもので、少子化対策で対応するには費用が見合わない。
つまり男女共同参画少子化が癒着しちゃってる現況に対する指摘というか批判ですね。男女共同参画少子化対策にならないからと言って否定されるべきではない。これでは少子化が餌に使われちゃってるだけだぞ、と。
さて、新書を読んでいると、色々バックボーンに引っかかったりすることがあります。この本はその中心的手法に統計を置いているんですが、その視点の元として「リサーチ・リテラシーのすすめ 「社会調査」のウソ (文春新書)」を引用しているんですが、「おおあの本か。確かに目から鱗だったよなあ。」と。他に新書で言うと「日本の税金 (岩波新書)」なんかからも引かれてましたね。あと「小1時間」って使ってたのは明らかに吉野家ですね。最後に「子どもが減って何が悪いか!」ってのは、ブライト船長の「殴って何が悪いか!」らしいんですけどもこの人そういうとこにいるんですね。


読んでいく中で参考文献の引用も多々あったので、「あーこの本欲しいなー」と本屋を回ってみたけども結構なかったりする。そういう時はアマゾンとか使ったら便利かなーとは思うけど、普段の本の買い方が本屋でしか使えないやり方なのでこういう時だけ変えるってのもめんどくさくて。そういう意味で僕がアマゾンを使わない、使えないのは1点買いをしないからじゃないかな、と思った。