足が未来をつくる <視覚の帝国>から<足の文化>へ 海野弘洋泉社
少し前から歩くことに関心を持ち始めている。さらにもっと前の話で言えば、偉人伝中の人々はしばしば歩きながら考え事をしていた、という事実。足は第2の心臓*1である、という話。そして最近関心を持ち始めたのは実際に歩いてみた感触が良かったことが一番大きい。
この本の構成は、大きく2つに分かれている。前半が目についてであり、後半が足についてである。まさに副題の通り。
現代では「目」が巨大に発展しすぎて、ついていくべき「足」が軽視されている。車が移動から足を奪い、テレビが目を巨大化させる。千里眼について立つべき足は、果たして存在するのか。
そこで足は発見される。19世紀末からイギリスでウォーキング、ドイツでワンダーフォーゲルが始まっていく。と、同時期に、学問の分野でもフィールドワークが始まる。
足は目という部分を、全体に繋げるものだ。「見る」という字は、目に足が付いたものだ。足がなければ見ることはできない。
だから僕は足を重視しなければならない、と思いましたね。

ってことで読後の目、足、それぞれに対するイメージの対比。
目:現在、空間、部分
足:未来、時間、全体
って感じですね。

*1:筋肉が血を上に押し上げるらしい