古武術に学ぶ身体操法 甲野善紀(岩波アクティブ新書)
以前読んだ本に乗っていた「古武術バスケットボール部を強くした人」の先生(?)の本。最近では古い話だけど、桑田が古武術を学んで防御率1位を取ったという時に師事した人の本と言ったほうが通るかもしれない。
身体操法で重要なのは見ることと体験することだろう。例えば新しい身体操法でオリンピックで記録を出したりすれば、次のオリンピックではそれぐらいのことは皆できるようになっているかもしれない。だから1人で編み出す、ということは見て覚えることに比べて格段に難しい。
どうもこの古武術の人は、「ひねらない、ためない、うねらない」ってのを基本にしているらしいのですが、それを聞いただけではイマイチよく体感できませんよね。ただ、そこから学ぶことは、既存の価値がそれで完成された正解じゃないぞ、ってことだと思う。
まあトップの選手ともなれば、日々そういう実感の中にいると思う。イアンソープにしろ北島康介にしろ末続慎吾室伏広治、そういったモロモロの人達(例が雑駁で申し訳ない)は、前例がないなかで自分なりのベストを模索してやっているのだと思う。
なので一般人たる私達は、よりよい前例を探すとともに、既存の前例を吟味することが重要になるだろうと思った。