エコノミストミシュラン 田中秀臣 野口旭 若田部昌澄

リフレ派によるトンデモ経済学批判の本。なかなか興味深く読めました。
本書ではエコノミストを大きく2つに分類している。構造改革派、リフレ派である。さらにリフレ派も金融政策派と財政政策派に分けられる。僕などは、金融も財政(公共事業で景気回復!)も同じ穴の類かと思っていたが、これも意外に重要な論点であったことをこの本で新たに気付かされました。
この本の著者らは金融政策によるリフレを主張しているのだが、つまりはデフレギャップがでかすぎるので財政では効かない、と。インフレに辿り着くまでに一体どれだけ高速道路やダムやピラミッドを作らなあかんねん、ということですね。

アンチインタゲ派の主張に関しては、バーナンキ背理法*1とシニョリッジ(通貨発行益)効果*2をフル回転させて切っていきます。なるほど。

今まで未整理だった部分の多くが整理されてきましたので、さらに勉強を進めていきたいと思う。でも教科書に戻るのは無理。

*1:中央銀行がどれだけ国債を買ってもインフレが起きない」と仮定する。と政府は国債を無限に発行して無税で国家運営できちゃう。それができないとしたら仮定は間違いなので必ずインフレが起きる。

*2:貨幣−貨幣の製造原価=政府の儲け。つまりお金を刷ると政府は儲かる