人はなぜお金で失敗するのか G・ベルスキー&ギロヴィッチ 鬼澤忍訳

作者の2人の外人はそれぞれ経済ジャーナリストと心理学者。本の内容もいわゆるそういう本で、経済学+心理学=行動経済学の本。一般的に犯してしまいがちな過ちをデータに基づいて解明していく、という感じ。

中でも目から鱗だと思ったのは確率の問題。

あなたはテレビのバラエティー番組に出演し、3つのドアから1つを選ぶチャンスを与えられている。1つのドアには自動車が、残りのドアにはヤギが入っている。あなたが1番のドアを選ぶと、どこに何が入っているかを知っている司会者が3番のドアを開けた。そこにはヤギが入っていた。そこで司会者に「2番のドアに変えますか?」とたずねられた。2番に変えたほうがいいだろうか?

これの正解は 変えたほうがいい です。理由はちょっとややこしけど、次のようになります。最初選んだ1番のドアに自動車が入っている確率は3分の1です。3番目のドアにヤギが入っていることがわかったからといってその確率は変わりません。しかし、司会者が3番目のドアを開けた段階で2番目のドアに自動車がある確率は2分の1になります。

確率は難しい、と思った。逆に言えば確率を知っていればどちらが有利か判断できるようになると思うし、普段から確率のことを考えて生活していったほうがいいだろうな、と思った。