トカゲの脳と意地悪な市場

トカゲの脳と意地悪な市場

毒々しい表紙の割には毒々しいお話じゃなかった。内容はアンチ効率的市場仮説の本で、市場が効率的でない→我々のトカゲの脳と意地悪な市場のお陰、って感じかな。
やっと整理されてきた。今まで2種類の本を読んできたってことと、その論点が。要は市場が効率的か否かってことで2種類に分かれるんだ。正統的な経済学が効率的派で、新しい行動経済学が非効率的派。
今まで読んできた中では人はなぜお金で失敗するのか (日経ビジネス人文庫)ネット株の心理学 (MYCOM新書)が非効率派でつまり今回の本と同じ系統に属す。
それに気付いたのが「トカゲの脳」と「意地悪な市場」というショッキングな言葉によってだった、というのがいかにも鈍い。こういうやや乱暴な言葉によってやっとわかったということだからね。
トカゲの脳というのは我々が原始的な生活をしていた時に上手く機能していた脳(戦略)のこと。それが現在のような人工的社会、特に投資の時には悪く作用するってこと。意地悪な市場と言うのはそのものズバリ市場が非効率的なこと。その中で利益を上げるにはトカゲの脳のことを牽制して前頭葉で投資をすることが必要だ。
トカゲの脳は過去から未来を見ようとする。それが原始的な環境ではハマることが多かった。しかし現在は原始的な環境とは違い、未来は変化する。原始的な環境での10年と現代での10年は別の意味を持つだろう。現代の我々はトカゲの脳が読み取った過去のパターンからの予測でダメージを受ける。天井で買って底値で売るような。
簡単に言うと人と違うことをしろ、とか書いてあった。