■
- 作者: 澤口俊之
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2004/10/06
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
「人間に関わる現在の諸学問は、21世紀には社会生物学と神経科学(脳科学)の2大科学に統合されるだろう」(ウィルソン)、ということで、作者的にはこれがかなり強いメッセージなんだろうと思う。心理学を専攻した立場から言うと、心理学は新しい学問であるとともに過渡期的なものであるだろうな、とは思っていた。内部から脳がわかるようになれば、心理学のある部分は不要になるのも当然の流れだろう。ただ、まだ完全に不要になるわけでもないだろうが。
以下この本が雑誌連載を基にしたものであるため、内容を箇条書きメモ。
・自我というのは前頭連合野にあるらしい。その中のワーキングメモリの働きこそが自我なのではないか、と。
・日本の教育は「条件付け」中心であぶない。なぜなら「前頭連合野」を介さないからだ。心の理論(他者モデル?)を育てるような教育をすべき。
・働くのはネオテニー(幼形成熟)化が進んだせいだ。ってのと高齢になっても発達する結晶性知能は社会の発展にとって必要だからだ。(子育てのための知識=通常知能と社会育てのための知識=結晶性知能ってことかな)
こういう本は定期的に読まないといかんね。