ひでー本だったなー。まず属性を列挙してみよう。作者は「70歳」の「ノンフィクション作家」、内容は女子短大でした「講演を下敷き」に、それに対する女子短大生の「感想」に対してコンコンと御説を述べる、というもの。そして、途中に入る「挿絵」がまたむかつく。誰だお前って感じ。まあタイトルに騙されましたね。
さて、内容について具体的に。「つながってなくちゃなんない症候群」と「個性神話」を否定し、子供をそこから脱却させよう、というもの。でも文の流れとしてはいみじくも「はじめに」で本人が書いていたように「オジンがなにを古臭いことを・・・・・・」でしかなかった。
端的に言うと「♪僕らの時代はよかった〜」なんですけどね。それに対して現代的いい子でありまた聡い聴衆は「そうですよね」「本当にそうなのかとビックリしました」「私たちもつい<<講演で上がっている悪い例>>してしまうこともあります」「でもこれからは直していこうと思いました」
おい!著者!舐められてることに気付け!さんざ自分で言ってたろうが。彼女達はつながっていなくちゃなんないから空気を読んで模範解答をしてるんだろ?

それはともかくとして。もう一つこの本には致命的な欠陥があって、それはアマラとカマラの狼少女のことだ。僕はこういう事例をリトマス試験紙的にストックしておいたら便利だと思う。つまり、狼少女の事例については「疑わしい」のだ。
最近ではこの事例を下敷きにした話の展開も前よりは耳にしなくなった。http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Gaien/2207/shuchou093.html
http://www.kgef.ac.jp/ksjc/kiyo/910170k.htm
まあこれらもソースとしては怪しいんだけど、要は実証されていないってこと。これでは論の下敷きにはならないだろう。これを使ったらその他の下敷きに対しても信頼性が酸性なのだ。真っ赤だ。
この人は「迷信」や「体験」の中で生きているんだろうな、と類推されても仕方がない。
ところで、帯が河合隼雄だったのが気がかり・・・。