新撰組血風録 司馬遼太郎
母が図書館で借りてきたものを、弟が読んで、僕も読んだ。僕はテレビでは野球と「新選組!」しか見ないのだけど、「新選組!」は家族で囲んで見るぐらい、ウチでは人気なんです。で、その影響で借りてきたんだろうと思う。
司馬遼太郎は一時期狂ったように読んだけど、短編は当たり外れがあるので(当然だけど)、敬遠してたものもあったけど、今回は面白かった。物語って、大きな筋でワーッとつむぎ出すやりかたもあるけど(大河なんかはそうだろね)、一つ一つのサイドストーリーを幾つも並べることでかえって見えてくる種類のものもあるね。この本は後者。
新撰組という特殊な集団の中で、軋轢というか誤差のように死んでいったり分かれていったりする人の話が、新撰組の特殊さとか、近藤、土方ら主役格の人を際立たせるというか。
ここからは小さいことなんだけど、この本の中で「あも」という京言葉?が出てくるんだけど、それが昭和の遠州方言として消えていくところ、ってのが個人的に面白いというか。祖父の代までだなあ、餅のことを「あんもー」って言ったのは。
あれ、幕末に京都弁で、それが明治大正の遠州弁じゃ時間が合わんか。方言っていうよりは古語なのかなあ。