前例への挑戦 清水聖義 学陽書房
連休だからと散財すればそれなりの出費を強いられることだろうから図書館で本を借りて過ごすことにした。そして借りたのがこの本。
さて、この本は、著者が富士重工のお膝元、群馬県太田市で、300億の新庁舎建設の是非を争点に選挙を戦い、市長になったという話から始まる。
一般に、行政では一旦動き出した計画を止めることはほとんどないことと言える。静岡空港にしてもそうである。用地問題にカタがついていないのにとりあえず着工して押し切ろうとする。太田市の新庁舎建設についても基礎工事にまで着工していたという。
初登庁した著者は早速工事を中止させる。設計変更して新たに建てた新庁舎の工事費は160億円。140億円の削減。これだけでもすごいことである。
その後もこの市長は新しい試みを次々に実行する。一言で言えば「節約して浮いたお金を新しい事業につぎ込む」ということであるが詳細は省く。
これらについての基本方針は4つの柱で表される。第1が「行政はサービス産業」ということ、第2は「市民の目線」、第3は「コストと効果」、第4は「人づくり」。
役場で働いて思うことは、「仕事が決まっちゃってるなあ」ということ。オリジナリティとか代替案とかが出せないような感じで(ってまあ僕はそんなこと考えるより先に仕事を覚えなきゃいけないんだけど)、代わりの良さそうな方法がある場合でもそれを考慮に入れることができないような感じがする。
とりあえず積算と入札に関しては疑問が多いからなんとかならんかと思うけど、今までそうしてきたからとか周りの町村がそうだとかそういうモロモロで変わることはないんだろうなあ。
積算の習得に時間を取られるのは本来おかしいと思うけどなあ。
まあこういう市長がいるようなとこはうらやましいなあと思う。