農家の自縄自縛

農家は長らく集票マシーンであって、日本のみならず海外でもそうで、補助や規制が多く存在するのはある意味では普遍的である。
日本でも農業には強い規制があり、保護が行われている。非効率だとかT!P!P!とか色々批判もあるでしょうが、保護されている当の農家がうまい汁を吸えてない。
そもそも農業従事者は鬼のような高齢化が進み、平均年齢は66歳。ほとんど若い人いないよね、っつー状態。「実家から送られてきたお米」のできるまでってのを書きましたが、かなり多くの農家が、農業で収入を得ていない。彼らの農業へのモティベーションは、子や孫に米を送ることだったり、耕作放棄で土地を荒らすと草や虫が発生して周りから白い目で見られることを避けるためだったりするのです。
農家は今や出口に殺到している。
ところが出してくれないのは農家を守っているはずの規制だよね。農家が持っているのは大量のババではないか、という。
実はかなり多くの農家が、自分の土地を誰かが買ってくれることを望んでいる。それが一般的な出口戦略だ。ところが農地は農家しか売買できない。また農地から非農地に転換するには許可が必要で、基本は不可である。農業サイドでお金を突っ込んで整備した農地は青地とか農業振興地域とか呼ばれて特に厳しく、ほとんど不可だ。
今や農地を持っている人は農家ですらなく、タダ同然で貸して耕作してもらっている人が大半だ。確かに税金は安いけど、貸して耕作してもらうにも利益どころかコストがかかるというところにきている。
完全に売りたい。
ところで地方では農地に押されるように特定の範囲に人が住んでいる。農地が開発されるなら、買いたいという人はゴマンといる。例え駅チカであっても、農地ならば宅地化できないのだから。
で、こういう規制って誰のためなんだろうね、と。これ割と地方の普遍的な問題なのではないかと思っています。